SPADABEL〜3人の義姉妹が温泉に浸かりながらどうでもいい話をただ駄弁るだけの話〜

風雅ありす

第1話 湯けむり三姉妹

「はぁ~…………気持ちいぃ~~~……♡」


「温泉に浸かってると、仕事の疲れも癒されるよなぁ~」


敦美あつみ義姉ねぇさん、お仕事してないですけどねぇー」


「うっさいわね。

 私は、学生なんだから、勉強するのが仕事なのよ」


「まあまあ、二人とも。

 ここは、スパ! なんだから、

 そんなトゲトゲした物言いしないの~」


志麻しま義姉ねぇさん、その〝スパ!〟ですけど。

 本当は、ただのスーパー銭湯ですからね。

 いつも言ってますけど」


「いいじゃない、スーパー銭湯だって、縮めりゃ〝スパ!〟でしょ。

 だから、〝スパ!〟でいいのよ」


「そのビックリマークはいるんだ。

 ってか、そもそも〝スパ〟って何なの?

 スーパー銭湯と何が違うのよ?」


「全然違いますよぉ。

 〝スパ〟は、リッチでセレブな奥方様が行く所で、〝スーパー銭湯〟って言ったら、

 庶民が行く、ちょっとだけリッチな銭湯じゃないですかぁ。

 だって、銭湯ですよ、銭湯!

 もう死語ですよぉ~」


「えー私、銭湯好きだなぁ。行ったことないけど」


「行ったことないんかい!

 って、私もないけど」


「えー香穂もないですぅ」


「どうでもいいけど、あんたその喋り方どうにかなんないの?

 ぶりっ子過ぎて気持ち悪いんだけど」


「えーっ、敦美姉さんひどいですぅ。

 だって、仕方ないじゃないですかぁ。

 これって、ただ会話だけで話が進む話らしいので、

 誰が何を喋ってるのか分からなくなるから、

 喋り方に特徴つけろって、作者がぁ~」


「そんな裏話せんでええって。

 特徴つけるだけなら、もっと他にも何かあるでしょ」


「例えば、何ですか?」


「うーん……〝だべ!〟とか。〝ござる!〟とか……」


「いやー! 絶対にイヤ!!

 ぜんっぜん、可愛くない!

 そもそも、それって、男の人の語尾じゃないですかぁ。

 香穂は、女の子なんですけどぉ~」


「そお? 意外と女が男言葉喋るのとか可愛くない?

 ほら、よく女の子が自分のこと 〝僕〟 って言ったりするやつとか」


「あー、あるある。

 昔、流行ってたわよねー。

 ボーイッシュなんだけど、それが逆に可愛いのよ~」


「 〝僕〟って、言ってみ? ほれ」


「イヤですっ。

 もっと可愛いのがいいんですっ」


「あ! 可愛い女の子と言えば、やっぱアレじゃない?

 〝だっちゃ!〟とか、〝うち〟とか……〝月に代わってお仕置きよ!〟とか」


志麻しまねぇ、最後のは、語尾じゃないよ。

 でも、わかるかも……昔、憧れたなぁ」


「あ、でも香穂ちゃんは、わかんないかな?

 私が小学生の時にやってたアニメだもんね~」


「志麻姉、それ歳ばれるって」


「香穂もわかりますよ!

 ちょっと前に、リメイクされたアニメがやっていたので。

 夜、旦那と見ました♡」


「へぇ~、そうなんだ。

 私も見てみようかな~、懐かしいなぁ~」


「それじゃあ、いってみようか!

 はい、月に代わって~……」


「「「お仕置きだっちゃ☆」」」


「いいねぇー! なんか色々混ざってるけど」


「息ぴったりじゃな~い!

 私たちって、ほんと気が合う姉妹よねぇ~」


「血の繋がりはないですけどねぇ~♡」

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