こんな俺らにどうやって世界を救えと!?(仮)

1-1 あんたら誰ですか

俺は季賀久 夢庵きがく ゆめ

«kiyu»という名前のゲーム配信者だ。


23歳男、身長162cm一人暮らし、世間的に言えば金持ちの家の出…というか和風の家のだが家族とはもう5年は会ってねぇ。趣味はゲーム、俺から何か取るとすれば俺の視聴者位だ。


俺は生まれつき髪色が赤く目付きが悪い。そのせいで学生時代は虐められ親からは産まなければ良かったと泣かれ姉からは罵倒され兄からは究極のシカトをされ続けた。親も姉も兄も祖父母も叔父母も親戚皆黒髪なのに何故俺だけが、そう思っても何も変わらない。だから俺は家を出た。


配信を付けると俺は変われる。

「おつきゆ〜!

お前ら元気か〜?」

コメント蘭は『おつきゆ〜』や『元気です!等で溢れる。自分で言うのはアレだが俺はLIVE DADream Imageという架空配信アプリの配信者でユーザー登録者97万人、最高同接者56万人というまぁまぁ人気の配信者だ。架空配信というのは顔を出さないで配信する事だ。


「じゃあ今日は昨日の続きから〜」


俺はそう言い目を下に移す。

…見間違えか?


なんだ?魔法陣みたいなのが見えた気がする。


「なぁ皆、俺の足元に魔法陣みたいなのがあるんだけど。」


そう言うがコメント欄は勿論『まさかの厨二病!?』や『とうとう壊れたか』等真剣に向き合ってくれる奴は居ない。もう一度確かめようと目を擦ろうと目を閉じた。刹那、光に包まれた。




暖かい。空へと昇っているような感覚だ。


少し眩しいと思いながらも目を開けた。


「あれ?おかしいな」


目を開けるとだだっ広い部屋に床があの魔法陣だった。本当なら俺は家から持ってきた金で買った5枚のモニターに囲まれて一人暮らしには少し広い28畳の部屋でゲーム友達に誕生日に貰ったゲーミングチェアに座り視聴者に貰ったキーボードに手を乗せているはずだった。


そして俺の目の前には恐らく同じ境遇と思われる11人の男女。


「えぇっと………?何方ですか?」



『『『いや、こっちのセリフですけど???』』』









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