古代ギリシャオタクは語りたい~ゼウス世代と作者の推し神編~

神在月 里歌

序 ギリシャ神話とは?

 皆さんは、ギリシャ神話について考える際、何を思い浮かべますか。感情豊かな神々? 怪物と戦う英雄たち? それとも悲しい恋物語やロマン溢れる星座でしょうか? あくまで私の考えですが、そのどれもが正解で、神話に対する解釈は一つだけではないと思います。


 では、古代ギリシャ人は神話に対してどう思っていたのでしょう? 2000年以上前の話ですから、当然現代のような技術力は有しておりません。そんな彼らは、各地で起こる自然現象や、個々人に沸きあがる感情、人間のルーツに至るまで、全て神々が作り上げた、あるいは引き起こしたと考えました。

 また、ポリス(都市国家のこと。ギリシャは平たんな土地がなかったため、広大な王国は存在せず、200近い都市国家が点在していた)を支配する僭主や王家の血筋、そのポリスを治める神々についても、神話を用いてに解釈したのです。つまり、当時の人々におけるギリシャ神話とは……


①万物の創造主

②国家や血筋の説明書

③政治や身分証明のための道具


でもあったのです。


 単なるおとぎ話ではなく、現実では考えられないような物語は『真実』として詩人によって広まり、時を超えて解釈され続けた結果、現代の私たちに伝わっている……なんとロマン溢れることでしょうか⁉ 最高神ゼウスを筆頭としたオリュンポス神族は、決して滅びておらず、今なお私たちの想像力や好奇心に影響を及ぼしているのです。

 そんな彼らの魅力を、少しでも伝えたいと思い、「神話を知らない方から、ある程度知っている方向け」に、この解説を書こうと思いました。少しでも楽しんでいただけたら、ギリシャ神話オタク冥利に尽きます。


 さぁ、まずは黒雲寄せるクロノスの御子から、語り始めましょう!!

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