第24話 おやすみ
「あーあ……私、ポーちゃんには期待してたんだけどなぁー……」
「き、期待……」
「でもポーちゃん、全体未聞とかなんとか、自信無い発言ばっかでなーんかガッカリぃー」
「ガッカリ……」
「私の知ってるポーちゃんだったら、2つ返事でやるって言いそうなんだけどなー……」
ヴェラは棒読みで煽りつつ……レプスの肩を掴んだ。
「ま、私とレプちゃんだけでやっちゃおっかー……ポーちゃんできないみたいだし?」
「ヴェラと……レプス、2人……だと?」
「ちょ、ちょっと、ヴェラさん……」
レプスは、さきほど自身に向けた視線よりもさらに険しく、怒りと妬みで支配されたポラリスの表情に、恐怖心を覚えた……。
「それじゃ、行こ、レプちゃん……『私たち2人で』」
「え? ちょ、ちょっと……」
悪魔的な笑顔で、ヴェラはレプスの手を掴んで、立ち上がった……。
「ちょおおおおおおおおっと待てえええええええええええ!!」
ポラリスは、机を思いきり叩き、立ち上がった。
「自信が無い? ガッカリ? できない? 誰がそんなこと言った!! 確かに前代未聞だが、できないわけではない!! いいだろう! 僕も魔法科学をけん引する者の一人として、やってやろうではないか!!」
「お? ポーちゃんやれるの?」
「ああ! やれるさ! それに僕はまだレプスが完全に仲間だと思っているわけではないからな! 監視の意味合いも込めて、僕もついていくからな!」
「ポーちゃんさん……」
ポラリスは決意した、「ヴェラがレプスと一緒だなんて耐えられない、そして、自分の技術者としてのプライドが許せない、やってみせよう」と。
……技術者としてのプライドよりも、ヴェラとレプスが2人きりなことが不満な様子だった。
「さぁ、こんなところで油を売っている場合ではない! 早速行動に……」
「ふぁ~……なんか眠くなってきました……」
「おい!」
早速行動に移そうとしたのもつかの間、レプスの体力は限界を迎えていた。
「ポーちゃん、言い出しっぺは私だけど……レプちゃん、ずっと宇宙を彷徨ってたわけだし……私もちょっと……色々あって疲れたかも……ポーちゃんも今日、着かれたんじゃない?」
「うーむ……確かに……だが、まだこの辺りは安全だとは言えないぞ?」
「それもそっか……レプちゃん、今日はここで寝てて良いから、私はちょっとポーちゃんと外の様子見てくる」
「いいんですか?」
「うん、レプちゃんはゆっくり休んでて、行こ、ポーちゃん」
「うむ……おい、くれぐれも変な真似はするなよ、あと外には出るなよ! お前が外に出たら騒ぎになるからな」
「はい……おやすみなさい……」
レプスはベッドの中に入り……目を閉じた。
「……おやすみ」
レプスが休んだことを確認した2人は、部屋の外に出た。
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