失敗ヘアースタイル

メタボ戦士

第1話 前髪①

 主人公は私。これは2●年、生きてきた私の

ヘアースタイル失敗談、歴史を書こうと思う。


 はじめに言っておくが、これはフィクションだ。

しかし、本物によせた偽物の話を書こうと思う。


 今回は、〈前髪〉の失敗談だ。


 初めて、私が〈前髪〉を失敗したのは、4歳。

 幼稚園に通っていた頃だ。

 あの頃は、何でもかんでも触りたくなる年頃だった。

 それが原因でもあった。

 

 ある日、私は、家にあった鏡で、1人にらめっこをして遊んでいた。

 それに飽きたとき、自分の前髪が気になった。    


 私の髪の毛はくせっ毛で、よく外側にはねていた。

 ふと、自分の外側にはねた毛が気になって、近くにあったハサミで1箇所だけ切った。

 その部分は、まっすぐになったが、他の場所がはねていたから同じように切っていった。

 

 気づいた頃には手遅れだった。

 

 へんてこガタガタ前髪になっていた。

 私はその時泣いた。

 その泣き声で夕飯を作っていた母が私のもとに駆けつけた。

 母はそのとき、呆れて顔で、「あんた、馬鹿だね。夜でもう美容室あいてないから、私がハサミで切ってそろえるしかないよ。」と言った。

 私は、「嫌だ。美容室で切る。」と駄々をこねた。

 そしたら母は、「私が切るの嫌だったら、幼稚園帰りに美容室で切ることになるから、それまで、そのままの髪型でいてもらうよ。」と脅された。

 私は、この髪型も嫌だったから、

「じゃあ。ちょっとそろえて。」と言った。

 母は、

「わかったよ。」と言って切っていった。


 そのとき、母の鼻が痒くなったようで、


 「ハックっしゅっ」と豪快にくしゃみをぶちまけつつ、私の前髪も豪快にそのとき切られた。

 

 私の前髪が消滅した。

 というのは大げさだが、前髪だけベリーショートになっていた。

 私はそのとき、自分の状況がのみこめなくて、呆然としていた。

 母は、「ごめん」と謝っていた。

 

 明日私は、家にあった前髪用ウィッグをつけて、幼稚園に行った。

 

 この経験から、私は無闇に前髪を切ることを辞めた。

 





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