貴方で遊ぼう

@kokoroyomi

第1話 事件発生

「かくれんぼする人この指と~まれ」

(あれは、近所の小学生か)

「あ、お兄ちゃん。一緒に遊ばない?」

「いやー俺も遊びたいけど、これから学校なんだよ」

「なに言ってるの?まだ夏休み始まったばっかりじゃん」

「あのな、小学生には分からないかも知れないが、高校生は夏休みが始まっても学校があるんだ」

「えー、そんなの最悪じゃん」

「その通り。だから今を目一杯楽しめ」

「分かった」

「じゃ、俺はそろそろ学校行くから」

「バイバイ」

「おう、元気でな」

(早く行くか)


(もう6時か、夏のおかげでまだ明るいな。早く帰ろう)

ガヤガヤ

(なんだこの人混みは?)

多いわね」

だったみたいよ」

生なのにね」

(何を話ているんだ?周りが五月蝿くて聞こえない。まぁ所詮、近所のおばちゃん方の井戸端会議か、)

ガチャ

バタン

(やっと着いた。疲れた、明日は休みか。明日は付き合ってやるか。今日は、もう寝よう)

zzZ

ピンポーン

(んだよ。まだ朝の7時じゃないか。無視無視)

ピンポーン

「佐藤さんですか?警察の者です」

ビクッ

「はい、今出ます」

(警察が俺に何の要だ?)

「朝っぱらからすいません。ちょっと署までご同行願います」

ヒョコッ

「別に逮捕する訳じゃない。少し話を聞いて貰えばいいのじゃ」

(子供?)

「子供じゃないわ」

(なぜ分かった)

「アハハ、着替えきます」

「あの男知らないのか?」ヒソヒソ

「どう伝えますか?」ヒソヒソ

「まぁ、何とかなるじゃろ」ヒソヒソ

「着替え終わりました。」

「では」

「はい」

移動中

「君、昨日公園でこの子たちに合った?」ヒラ

「え、はい」

「落ち着いて聞いてほしい、今この子たちの行方が分からない状態なんだ」

「え、それって」

「私に変われ」

「はい」

「いいか黙って聞け。」

「はい」

「まず日本の年間行方不明者数は報告されているだけで8万人じゃ」

(そんなに、)

「まぁ、子供の場合殆どが事件性無しの家出なんじゃがな」

(家出?いや、この言い方からして違うか。)

「で、今回近所の人から聞いた話と防犯カメラから子供たちがいた公園を調べたのじゃが、入った姿は確認出来たものの、出た姿が確認出来なかったのじゃ。勿論、そこにはマンホール等の抜け道もない。そこで防犯カメラで映った唯一の君に事情を聞きに来たんじゃ。理解したか?」

「はい。誘拐って事ですか?」

「どうだろな。おい、あれを持ってこい」

「あれとは?」

「地図じゃ、地図」

「はい」

「まぁゆっくりしてくれ」

(一旦状況を整理しよう。昨日公園で会った近所の小学生が行方不明。原因不明。神隠しみたいなものか?)

「持ってきました」

「これを見ろ。これは、最近事件性有りと判断され、一切の足取りを掴めなかった行方不明者数だ。」

(この街の周辺でこんなにも)

「共通点としては、カメラや人の見ていない時と子供ぐらいじゃ」

(なるほど、しかし子供とは言っても中学生や高校生もいるのか)

「そして私たちは、この事件を解決するために集められたファインドというグループじゃ。 別に協力しなくてもよい、 何か分かったことがあったら教えてほしい」

「分かりました」

「すまんな。もう帰って良いぞ」

「ではこれで」

「それじゃ、私たちは資料作成やその他諸々をやらなければな。着いてこい」

「はい」

(今日は朝っぱらから警察に連れて行かれて大変だったな。もう12時か、昼飯は冷やし中華でいいか)

(そういえば、あいつらが行方不明になったのってこの公園か。さすがにもう誰もいないか)

(確かここで遊んでいて)

「一緒に遊ぼう」

(後ろからか?)

「すまない今日は遊べない」クルッ

ガッ

(一体なんだ。意識が無くなっていく)

「ふふ、残念。お兄ちゃんの意見は元から無かったの。さぁ、楽しい楽しい遊びの時間です」

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