第11話 ペーパーナイフを作りましょう(1)
鍛冶に関しては、ロアンもイアンもど素人だったから、村の鍛冶職人のロヴに相談して剣刀鍛冶職人に習った方が良いだろうということになった。
ロヴは、武器は作らないのだ。
「オレの友人に、ベリルという奴がいる。そいつに来てもらえ」
「了解」
ロアンは、ロヴに親指をたててニンマリ。
▲▽▲
やがて、ロアンとイアンのもとにベリル・シェレという、中年の男がやって来た。灰色の短髪と口髭と顎髭が全部繋がっている。瞳の色がとび色で、腕が……右腕が特にとびきり太かった。
右手と左手の太さの違いに二人ともビビったくらいだ。
「んで、剣を作るのは兄ちゃんだな?」
「違う、違う。魔法剣を作るのは妹のほう!!」
イアンは、首を振りながら、ロアンを指差して言った。
「これが?」
「そう、これ!!」
二人でロアンを指差して言い合った。
「妹が神のお告げで、火竜と協力して剣を作ることになったんだよ」
「おお……神のお告げとはすごいことだ……。すごい魔法使いなのだな……」
イアンが『神のお告げ』で選ばれし娘であるような感じで、ロアンのことを紹介したので、信心深いベリルは、名誉な仕事だと快く引き受けてくれた。
真新しい鍛冶小屋で、ベリルが試しに一本、剣を作ってくれた。
材料一揃えは、神殿の最高金貨で揃えてあった。
ベリルは、最高の鍛冶職人であった。銀色に光る鋼の剣を短時間で作ってしまったのである。
「じゃあ、お嬢。この釘でペーパーナイフでも作ってもらおうか」
「釘~~??」
「お嬢に最初から、剣は無理だぜ」
そう言われて、納得のロアンである。
ロアンは、炉の中に炎華石を一つ投げ込んだ。
その途端に火力が強くなり、鍛冶場の温度も上昇した。
「何をしたんだ? お嬢!!」
「あたしの作る剣には、これを入れないと駄目なんだ。暑い? 水の
ロアンが、作業場について、釘を溶かすと釘は一瞬で蒸発した。
「何これ?」
「温度が高すぎるんだ。小さめの今後は、小さめの鉄鉱石を入れてみな」
ロアンは頷いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます