Vimを始める第ゼロ歩

 さて、もしもあなたがプログラマならば、 Vimを手に入れるために最も柔軟な方法はソースを持ってきて適宜パッチをあてビルドする方法です。


 しかし、プログラマでない多くの(少なくとも筆者がこの文書でこれまでに打鍵した回数より多いと思われる)方々にとっては上の文章が呪文に聞こえるかもしれません。少なくとも、レゴブロックに布を当てて上からウスターソースをかけるという意味ではありません。


 幸いなことに、多くのファン(本来のfanaticの意味で)を持つ Vimには簡単に手に入れる方法が用意されています。


 このあたりの事情は使っているマシンのOSで違ってくるのですが、ここでは Windowsマシンの場合について説明します。その他のOSについても、 WEB検索すればその方法が容易に見つかるでしょう。


 Windowsユーザが日本語仕様のVimを追加のソフトウェアを入れることなく手に入れる方法は、主に2つです(もしあなたにITに詳しい知人がいるのならば、その知人に頼むという3つ目の方法が最も簡単です)。


 1つは、日本のVimユーザのコミュニティである vim-jp[15]からダウンロードする方法。もう1つは、純正のVimにいくつかの機能(主に日本語関連の強化)を追加したバージョンである、 vim-KaoriYa を配布サイト[16]からダウンロードする方法です。


 基本的にはどちらでもよろしいと思いますが、 2024年4月9日時点では vim-jp版vimがバージョン9.1なのに対し、 vim-KaoriYa版はバージョン8.2と少し古いです。


 vim-KaoriYa版で追加された機能のいくつかは最近のvim-jp版にも搭載されましたが、 GUI透過機能などのいくつかの機能は実装されていないため、気になる方は調べたうえで選択してください。特にこだわりがなければ、 vim-jp版で良いと思います。どちらにしろ、インストール形式のプログラムではないため、削除する際にはフォルダごと消せば問題ありません。


 さて、どちらかを選んだとして、あなたの手元にあるファイルは ZIPファイルです(あまりコンピュータを使わない方のために補足すると、いくつかのファイルをまとめて 1つのファイルとしてやり取りできるようにしたファイルです)。


 最近のWindowsでは、 ZIPの中身を直接見ることができるようですが、中身のファイルは基本的に外に出して使ってやる必要がありますので、そのようになさってください(これを書いているタイミングで ZIPの中から直接起動しようとしてみると、ちゃんと展開を推奨してきました。 MSも優しくなりましたね)。


 外に出したフォルダの中( KaoriYaならばフォルダのすぐ中、 vim-jpならばvim91フォルダの中)に存在する vim(.exe)もしくはgvim(.exe) がVimの起動ファイルです(カッコの中は拡張子表示をオンにしていない場合は表示されません)。


 2つのファイルは本質的に違うファイルなのですが、操作についてはほぼ同一です。 vim.exeはCUIアプリケーションと呼ばれるファイルで、「文字を表示するアプリケーションを用いてエディタを描画」します。一方で、 gvim.exeはGUIアプリケーションと呼ばれ、「画面上に文字を表示させるアプリケーション」です。コンピュータの中でやっていることは違うのですが、見た目上はほぼ同じため、以下ではgvim.exeを用いるとします(こちらのVimを特にgvimと呼ぶことがあります)。

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