第19話 勉強

「良一よ そういやそろそろあの季節だぞ」


「うん?なんかあったっけ?」


「あぁ学生の重大イベント…中間考査だ…!」


「あぁそろそろだな それ季節関係あるか?

 ていうかお前なら余裕だろ」


「そうだな 私は頭いいからな 

 それは大丈夫なんだが…したいことがあってな」


「ん? 何がしたいんだ?」


「放課後教室でみんなで勉強会しないか?」


「みんな? 具体的には?」


「未来ちゃんとお前と私と…陽介?」


「陽介もか?まあ友達だし良いけど」

 

「あんまりしたことないから

 やってみたかったんだよねー」



とういうことで始まりました。勉強会が。


「うーん俺だけ圧倒的な場違い感」


誘いを二つ返事で了承した陽介が

シャーペンを回しながら言っている。

器用だなぁ


「別にそこまで場違いか?」


「俺ここにいる友達良一と桜井さんだけで

 そこの1年の子は名前知らない」 


「あっすみません! 柊未来と言います」 


「おー良い名前だな

 俺は面白味のない名前の佐藤陽介」


「名前に面白さっているか?

 陽介、将来子供にキラキラネーム付けるなよ」


「つけない…と思う」


「まあそれは良いと一旦置いといて…

 柊大丈夫か?1年だから範囲違うけど…」


「大丈夫だよー私が未来ちゃんの分も

 教えてあげるからー!」


「結衣お前やっぱり頭良いんだな

 普段はあんまりそう感じないが…」


「んー?どう意味かなー?

 あ、ごめんー

 うっかりシャーペン投げちゃった⭐️」


シャーペンは俺の首筋を掠めた。

こいつ的確に首元狙ってきやがった…!

だけど中々コントロールが上手いな


「お前わざとだろ 首はやめなさい」


「わざとじゃないよー?

 次はおでこかなー?」


「お前容赦ないよな…」  


「お話ししてないで勉強したらどうかなー?

 あっ、余裕があるってことかなー?

 私に勝てるかなー?」


「それは無理です… 勉強します」


「潔くてよろしい」


お互いに黙々と勉強し始める。

静かだ…静かだと騒がしくしたがるのはなぜだろう

うん?この問題わからんな…


「陽介 この問題教えてくれ」


「ん うーん?うーん…悪いわかんねー

 未来ちゃん分かる?」


「いや…1年にはわからんだろ

 2年の範囲だぞ」


「1年の3学期の途中までしか終わってないので

 分かりません…」


「柊めっちゃ頭いいやん…予習のレベルが

 違いすぎる… 結衣分かるか?」


「私にわからない問題があるとでもー?

 見せてみなさいー なるほど…

 これはねぇー…いやここで教えちゃうと

 成長に繋がらないか…よし!

 もうちょっと自分で考えなさい、」


「お前分かんないからって誤魔化すなよ…

 潔く分かりませんと…うおっ!あぶなぁ」


幼馴染が的確におでこを狙ってきた。

ギリギリで頭を下げて髪に当たった。


「ごめんねー?

 またうっかりシャーペン投げちゃった⭐️」


「うっかりって便利な言葉だよな…

 で結局どうしよかな…」


「そんな問題はな

 大抵テストには出ないから飛ばしなさい」


「いや出たらどうするんだよ…」


「その時は降伏したらいいじゃないか

 諦めろ 私は後で先生に聞く」


「先生に聞いた事俺にも教えてくれ」


「200円な」 


「金取んなよ 帰りに何か奢ってやるから 

 あとさっきから喋り方戻ってんぞ」


「あれれれー? そうだっけ? 

 私はずっとこの喋り方だよー?」 


「それ、小さい探偵な

 あと喋り方違いすぎる」


「勉強しろ 留年するぞ」


「わぁ厳しいお言葉で…」


すると陽介が聞いてきた。


「なあ良一 桜井さんってこんな喋り方

 してたっけ?」


「結衣は…色々いるんだよ

 お前の昨日の秘密みたいな感じだ」


「あー掘り下げたり、人に言うなってことか」


この言葉だけで伝わるとは…

意外と陽介は察しが良いのかもしれない


「勉強頑張ろうなー!!」


「「「静かに」」」


「はい…ごめんなさい」


元気出そうしたのに怒られた…

俺はたまにやってしまう事がある。

これで何個黒歴史を量産したことか…







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