第13話 深刻な相談

未来視点


プルルルル…


?誰からだろう 電話が鳴っている…

私に電話かけてくる様な友人は…

いなくもない……がいない…


「はい」


「あっ未来ちゃん?」


最近友達になった桜井先輩だった。

割と暗く、深刻そうな声で話している。


「どうしたんですか?」


「実は相談があるんだけど…」


相談? 先輩に悩みなんてあるんだ…

それに相談したいのは分かるが

何故私なんだろうか

先輩には沢山の友達がいるのに…?


「良一の件なんだけどさ…」


あぁ理解した 

この件は私にしか相談できない、

良一先輩は桜井先輩にとって特別だ


「良一先輩……」 


私も……いや桜井先輩の方がお似合いか…

この件は流石に代償が高い…


「良一先輩がどうしたんですか?」


コーヒーを飲みながら何の相談かを聞く。


恋バナだろうか 

だが私はそういった類のものを

したことが無い、

理由は単純、友達がいないからだ

私相手に相談は間違っている

しかしもしそういったことに

得意だったとしても

私に純粋に桜井先輩の恋を応援することが

出来るだろうか…?

きっと今以上に迷っているのだろう


「それが…良一がクラスの女子と

 デートするらしくて…」


ごっふ!ごほごほっ 

思わずむせてしまった…

この人はいきなり何を言うのだろう?

何かの冗談…?


「…本当ですか?」


「まあデートというか借りを返す為

 らしいんだけどさ…」


「なら大丈夫じゃないんですか?

 流石にデートとは…」


「でも休日に男女二人で買い物らしいし…」


うん これはデートだ 

どう考えてもデートだ

これは桜井先輩の気持ちがよくわかる

なるほど…好きな男子がデート…なるほど…

これは…許せない様な…

なんというかモヤモヤする…

大丈夫か監視したい…

だが一応一つ確認しておきたいことがある


「失礼かもしれないんですが…

 本当に一応聞くんですけど…

 桜井先輩って良一先輩の事

 好きなんですか?」


ガラガラガッシャーン!


電話の奥からものすごい音がする。

…倒れ込んだ音だ


「先輩!?大丈夫ですか!?

 生きてますか!?」


「…生きてるよ 元気いっぱいだ」


全然元気じゃない、暗い声で言っている。


「全く…変なこと言わないでくれ…

 この私があいつを?心配はしているが

 それは幼馴染としてだ…」


「…桜井先輩ものすごくテンション低くて、

 暗いですよ…

 本当に幼馴染としてですか?」


「……うるさい……

 …とりあえず私が言いたいのは

 その相手がギャルで、

 あいつが大丈夫かって事だ…」


「ギャル!?

 なんでそれを先に言わないんですか! 

 良一先輩のデートの相手がギャル!? 

 これは…色んな意味で良くないですし…

 不安ですね…」


本当に不安だ 良一先輩が何かされそうで怖い

それに不健全か健全か知っておきたい…

 

「よし! 分かりました!

 桜井先輩!監視しに行きましょう!」


「えっ? それは流石に不味くないか?」


「いえ あくまで

 先輩が大丈夫かの確認です!」


「なっなるほど…一応健全かも確認して

 おきたいしな…よし!分かった!

 行くか!」


「出来るだけ変装していきましょう

 ところで場所とかわかってますか?」


「あぁ土曜に駅前らしい」


「分かりました、

 できるだけ早めにいきましょう」


「あっあぁ そうだな…」


土曜日か…少し楽しみに感じている

でもそれ以上に…不安も…

良一先輩…私の……いやこれは

口に出さない様にしよう…

私にそんな勇気はないし、言ってしまうと

後戻りができない気がする…

まだ早い…


 幼馴染視点

不安で電話したがまさか

こんな展開になるとは…

確認したい…土曜日か、

あいつがデートとは…

…私も誘おうかな……勇気が出ればだが…

それにしても未来ちゃんは

変なこと言ってきたな…

この私があいつのことが好きだって?

ないないこの私が…これは幼馴染としてだ…

きっとそうだ……


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