30

日曜はなんだか朝からそわそわした。

英語の時はそんなことはなかったのに、なぜだろう。

行ってみたらこの間のメンバーがほぼそのままだった。

どういうこと?

あとでわかったが、前回のメンバーは若い子と俺だけが体験で、

ほかのメンバーはすでにレッスン中だったのだ。

そうか。そうだよな、それほど大きくないのに6人も体験者が居るわけないもんな。

そして今日若い子は居なかった。

そうかあ。

つまり、おじいさんとおじさんとおばさん二人だ。

期待してそわそわして損をした気分だ。


それでも大きな声を出したり、歌を歌っていたら気分が良くなってきた。

自分にこんな一面があることを知って驚いた。

俺は歌うことが好きなのか。

カラオケではいつもことわってきた口だ。

歌を知らないからだ。

そんな俺が歌ってみると楽しい。


帰るときはまたそわそわした気分に戻っていた。


ん!?


なぜだ?


そうか、先生か。

確かもう30歳だとあこちゃんが言っていた。

だから最初から想定外だった。


でもこれは。

人込みのなかで急に立ち止まり、

「恋をしたのか?」

思わず口にだしてしゃべってしまった。


急にはずかしくなり足早にその場を離れた。


30歳の先生に恋をしただと?

何か妙な気分だと思ってはいたが、

そうなのか!

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