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近くで話してみてもわからない。

もちろん年齢など聞くわけにはいかない。

自分より2,3才上か。あるいはぐっと上か。

でもなにか魅力的で惹かれるものがある。


「何してる方なの?」

「サラリーマンです。」

「何のお仕事?」

説明した。


「お仕事されてるんですか?」こんどは俺が聞いてみた。

「遊んでる風に見える?」

「いや、あのう、どんな仕事をされてるのか想像つかない感じがしたので」

微笑みながら俺を見ている。

老人が答えてくれた。


「美容院ですよ。駅前の。」

「そうですか。でも日曜は休みじゃないですよねえ。美容院って。」

「ボスは休んでもいいんですよ。」と老人。

経営者ってことか。

「そうなんですか。失礼しました。」

「ボスなんて言わないでください。」と笑ってる。

でもそんな年齢には見えない。

親から引き継いだのだろうか。

あるいはそんな年齢なのか。いやそこまではいってない。


「今度お店に行ってみてもいいですか。」

「もちろん。」

お店の場所を教えてもらった。


彼女が目当てではない。

美容室には若い女性がいるはずだ。


そう考えてから、自分で自分の咄嗟の反応にあきれた。

俺の思考回路は若い女の子にしか向いていないのか。まあそうだが。


時間になって席にもどった。

すこしは英語に集中しようか。

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