間章2
「こいつ──ッ」
《羽根狩り》──
「逃さない」
入り組んだ路地の奥、ビルとビルの壁を蹴り跳んで迫る《
(得物……刀が以前と異なる。それだけでこうも動きが変わるのか──)
武器を替えて攻撃力に変化が出ることは当然だとしても、動きまで格段に良くなる、というのは不可解ではある。ただ、別段これは武器が《
(これまで
威嚇射撃をしても
(全く
「──追い詰めた。《落とし羽》を渡しなさい」
「渡すと思うか? 力ずくで奪え」
「交渉してあげたのよ。後から恨まれても嫌だから」
ここに誘い込んだならまだしも、追い詰められたとなっては打つ手もない。己の
「心配するな。恨むのは──お前の方だ」
黒衣の
(山猫? 違うな。こんなもの
刀が
新たな刀を手にした《
「
──《
高い金属音が一帯に響く。鉄で鉄をぶっ
「無事か、《羽根狩り》ッ!!」
「《
「憎まれ口を
壁をぶち破って登場したのは、赤毛の偉丈夫だった。
「こいつ……! 《
それだけで彼が《
「初めましてだなァ、《
「なんなの? この男……」
「おい。悠長に何やってる」
「最近まで盲腸で入院していたから戦線復帰出来ていなかった!! だが俺が戻って来たからには、もうお前の好きにはさせんッ!! なあ《羽根狩り》!?」
「…………。《
「なんとぉ!?」
想定外の増援、更にデータにはない異能力者。《
《
「残念だ! あの《
「……合流時間から遅れ過ぎだ、
《
本来、今回の任務は
「ちょっと
「……馬鹿かお前は。命令違反だ」
「だがタイミングはバッチリだったぞ! 結果オーライ!!」
「はあ……」
「おし! そこまで言うなら二人でもっかいラーメン食い行くかぁ!」
「何も言ってない。行くわけもない。いいから報告に戻るぞ。そこまでが任務だ」
《
何せ、どれだけ上官に𠮟られたところで、全く反省しないのだから。
「駄目だぞ、
「犬の方がお前よりマシだ。命令を聞くわけだからな」
「悪いが俺は猫派だ!! 猫は自由だからな!!」
「……。付き合ってられん。ならおれ一人で戻る。命令に背きたいなら勝手にしろよ」
「そうツれないことを言うな
騒ぐ
(犬、か)
単に、
(別に構わない。犬でも何でも)
その繰り返しの先に、《
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます