どっちも負けろ

双葉紫明

第1話

今日と言う今日だ。

堪忍袋なんてもともと持ってないけど、持ってたとしたら緖が切れた。

チクショー。

いつも忙しい忙しいって。

人間忙しくたって、どうしてもやりたい事はやるもんだ。

だから、僕に会いたくないんだろ。

別にわかってれば良いんだ。

僕がいちばんだから、蔑ろに出来るって。

ずっと一緒なんだから、いつでも埋め合わせ出来るって。

だけどどんどん離れて、会わなくたって平気そうじゃないか。

いつ埋め合わせしてくれるのか。

ずっと待ってんだ。

結構前から。

でも、新しい仕事も他の事優先の土日休み。

僕は土日は忙しい。

当分会えないじゃないか。

それだけならまだしも、僕がこんなに大変で困ってる時だって、知らん顔だ。

それでどおしたら、少し先に飽きるまで一緒に居ようなんて思えるんだ?

車、無理して大きいの買った。

またそのせいで大変だ。

ああ馬鹿な事しちゃった。

君が言ってた車中泊で日本一周。

一緒にする誰か、探さなきゃ。

10年以上我慢して来たんだ。

嫌われたくなくって。

みっともない。

情けない。

もう、御免被るよ。

サイナラだ。

バイバイ!

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