第二話 先輩へ〜貴方が嫌いです〜

先輩に言いたいことがあります。僕は、あなたが、嫌いです。

勝手に僕をソフトボール部に入れるなんて、頭おかしいですよと。彰人は良いかもしれないけれど、僕はまだ部活に入りたく無いんだ。そんな僕の気持ちは、先輩には届かないんだろうなー。

「どうだ、楽しいだろ?部活に入らないなんて、あり得ないんだよ。友達を見つける、これほど楽しいことはないだろうが。」

ほら、届いてなかった。本当に、何も知らない先輩が僕に手を出さないでほしい。

「和馬?楽しいね、部活入ってよかったね!」

彰人、君はなんてことを言うんだ。入って良いことなんてあったか?

「あったでしょ。」

なんだよ、言ってみろよ。いや、もう良いや。辞める。俺は一人で生きる。部活なんて入らないことに決めたよ。ありがとよ、彰人。


部室へいく。部室は高校B棟4階だ。遠いったらありゃしない。・・・本当は部活だって入りたいんだよ。でも、怖いんだ。また、傷つけられないか。彰人と一緒に逃げて来たのに、なんで俺だけ苦しんでるんだ!


「君が苦しみを無くそうとしてないからだよ。苦しみたくないんだったら、彰人くんみたいに苦しみを無くそうとしようよ。苦しみは苦しみでしか消すことができないんだよ。まあ、部活は辞めると言うことで。頑張れよ。」


あの部長、先輩と同じじゃないか。俺のことなんか何も知らないくせに!苦しみは苦しみでしか消せないって、そんなわけないじゃないか!苦しみは、消すことは出来ないんだよ!


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