(四)

 すると笑い声が聞こえた。

「フハハハハハハ! なんだそれは!」

 それは少し高い声のマコト先輩の声だった。

 マコト先輩の方を見ると、彼女は立ち上がっていた。しかも、満面の笑みを見せていた。いや、違う。笑みは笑みだが、みんなに見せていたキュートでチャーミングな笑みではない。口角が左右にめいっぱい引かれて、少し上目遣いではあるが、目つきはまるでにらみつけるようであった。

 そこにいた新入生たちがもちろんマコト先輩の方を向いた。全員、驚いた顔をしていたのは言うまでもない。


(続く)

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