(三)-7

 俺はマコト先輩の方を見た。両手をそれぞれ上腕に回し自分の体を抱きかかえるようにしていた。白のワンピのフリルレースの裾がブルブル震えていた。

「くそ、俺だって」

 そう言って立ち上がったのは体育会系のコガショウだった。

 そしてサークルの先輩たちと同じように手をガーゴイルの方へかざし「ファイアーボール」と唱えた。

 太い指を持ったごつい手の平の先に、なにかまばゆい光が見えた。しかしそれはすぐに消えた。

「クソ!」

 舌打ちをするコガショウの後に続き、シンも同じようにしていた。彼の手のひらの先からも光が発生したが、すぐに消えてしまう。


(続く)

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