親友たちに任せてナンパさせたら余ったのが美少女なんだけど?!

ペンネーム

水曜日の昼下がり。

親友2人を事前に昼飯に誘って空き教室で飯を食っているときに本題を俺は叫んだ。


「ナンパがしてみたい!」


「「はぁ?」」


「はぁ?ってひどくね?」


ほぼ男子校に等しい工業校なのだ、女に飢えてしまうのは当然だ!

あんまり可愛くないと最初は思っていても工業生マジックで可愛く見えてしまうのも仕方ないというもの。


そして、俺は中学から女の子との縁が無に等しい生活を送っていたために余計人肌(女の子限定)恋しいのだ!


「お前らはいいよな。彰人あきとはイケメンで誰にでもモテるし、達樹たつきはギャルにモテるし!」


俺の高校で知り合った親友の二人はモテる。

俳優でもやっていてもおかしくない程整った見た目と人当たりの良い性格をしている秋原あきばら彰人あきと

第三者から見ればヤクザと関りがあってもおかしくない程かなり怖い見た目をしており、ガタイの良さが余計雰囲気をかさまししている藤間ふじま達樹たつき

そして、日常に溶け込む普通の一般人の俺は富樫とがし颯真そうま


「意味がわかんね」


「達樹、颯真は女の子と付き合いたいということだよ」


「言われなくてもそんなことわかってるわ。なんでナンパなんだよって話だ」


見た目とは反して毎日弁当の達樹が頬づいて俺の顔を見てくる。

怖い。


「なんでって決まってるだろ?」


「「なにがだ?」」


「お前らが女の子を引っかけて俺がおこぼれをもらうためだよ!」


「「最悪だぞ、コイツ」」


机に両手を叩きつけ立ち上がり宣言する。

二人の冷めた目線が痛い。

だけど、こんなことでくじけたりはしない!


名誉を捨ててでも女の子に触りたい!


「俺の研究成果によると女子のグループは基本3人だ。これは街中で集まるJKグループを統計した結果だ。そして一番集まるのはゲーセン!プリクラ前が女子にとっての集まり場だからな!」


先々週辺りから街を回って調べたのだ。

特に土曜の昼下がりくらいが多かった。


「「くだらな」」


「ちょ!なんで弁当を片付ける!」


「くだらねぇからだよ。つか、ナンパ行くとして俺らに見返りは?」


「くっ……」


「そうだね、別にナンパをするぶんにはいいけど、見返りは大事だね」


「ぐぬぬ……」


「「見返りは??」」


こいつら笑ってやがる!

なにを俺は渡せばいいんだ……!


金か?

いや、昨日課金したばかりで数百円しかもってねぇし……。

金がねぇから飯も奢れない……!


「謀ったな!!!」


「何も謀ってねぇよ、勝手に泥沼にダイブしたのお前だろ」


「そうだよ、まぁ強いて言うなら僕らに女の子を選ぶ権利は欲しいね」


「彰人、そんなんでいいのか?もっと要求しねぇと割に合わねぇぞ?」


「よし決まりだ!彰人と達樹にナンパするグループを選ぶ権利と連れて帰る女子の優先権も渡そう!決行は本日放課後!」


「何のための統計だよ。土曜じゃねぇのかよ」


「早く!女の子と!話したい!!!」


「くだらな」


スマホを取り出し、どこかに連絡を入れる達樹。

だがすぐにスマホをテーブルに置き、俺を睨むように視線を送ってくる。


「まぁまぁ颯真の利点でもあるからね、即断即決は。高校から知り合ったはずなのに幼馴染感あるのは不思議だけど」


「とにかく!今日の放課後によろしくな!」


「ちっ、しゃーねーな。予定あったけどドタキャンしとくわ」


「あ、だからさっき誰かに連絡してたん?明日にしよっか?」


「気にすんな。どこの誰かとも知らねぇやつとの喧嘩なんてしてもつまんねぇからな。負けるようなら報復くらいしてやるが大丈夫だろ」


見た目通り喧嘩も強い達樹は不良グループにリーダーに勝手にされている。

本人も喧嘩をするのは好きみたいだが、雑魚をいたぶるのはあまり好きじゃないみたい。

よっぽどじゃない限り誰かの喧嘩に混ざっていくことはないっぽい。


「僕は元々予定ないから問題ないよ。じゃあ、今日の放課後ね?」


「おう、ホームルーム終わったら連絡くれ」


「わかったよ、じゃあ先戻るね」


売店で買ったサンドイッチのゴミを捨て自分の教室へ戻っていった。

達樹も午後の授業は眠いからサボるとかいって屋上のほうへ向かっていった。





◇◆◇◆◇◆◇




「いくぞ!!」


放課後になった。

結局6時間目もサボった達樹を連れて彰人と合流して電車で一駅移動した先にある広場へ向かう。

よく集合場所にされる場所だけあって様々な人がいる。


「おおお、結構人がいるな」


「達樹、なんかいいグループあったかい?」


「あぁ?あそこのグループはどうだ?」


達樹が見つけた先にはギャル3人グループ。

気の強そうなギャルが好みの達樹のチョイスだからそんなものだろう。


「うーん、ちょっと嫌かな。むしろその奥のグループは?」


「あれはもっと人が集まるだろ。しかも化粧っ気がすくねぇからめんどくせぇ」


彰人は拒否した。

まぁ彰人も結構特殊だからね。

でも、化粧っ気が少ないってなんだろ?


「なぁ、化粧っ気が少ないってなに?」


「あ?陰キャ臭いって意味だよ。化粧も出来ねぇ女に魅力なんてあっかよ。そういうやつに限って重いんだよ」


「ふーん……」


重いって体重じゃないよね?

多分、性格的にだよね?

ヤンデレになる可能性が高いってことでいいのかな?


「お、あのグループとかどう?」


「いいじゃねぇか」


探すこと5分ほど。

ようやく二人の納得が行くグループを見つけたっぽい。

えーっと……


「真ん中の美少女やばっ!それと気の強そうなギャルとおさげで気の弱そうな女の子のグループか」


「いくか」


「うん」


「ちょっ!気持ちの準備をさせてよぉぉ!!!」


俺は達樹に襟を引っ張られながら目的のJKグループのほうへ向かっていった。




「ちょっと今いいかな?」



先頭を行った彰人はの子へ声を掛けた。





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