第4話 大舞踏壊 破
戻ってきた先輩は言う。
「能力を使ったオレとお前じゃ勝負にならん。」
イラっとするが、こらえる。
「いきなりの勝利宣言ですか。それで俺に負けたらかっこ悪いいですよ。」
それに対して、俺は煽る。
が、無視して先輩は続ける。
「オレの能力_
はぁ、さすがにネタバレは萎えるぜ、先輩よ。だから、
「「自身を対象とし足場を選択、重力操作を行う。」」
先輩の声に重ねて言う。
「というのはブラフで対象の条件は触れること。」
さらに、ネタバレはもらっていくぜ。
「・・・。っち。」
うわぁ。わっかりやっす。
適当いっただけなのに。
先輩は絶対詐欺に引っかかるタイプだ。
まぁ、だからこそ先輩の一つ二つ上ぐらいの女の人たちがファンクラブなんて作っているんだろうけど。
そんな余計なことを考えていると
「ヒュッ。」
頬を何かがかすり、次の瞬間。風で吹き飛ばされ、
「ドゴン!!」
背後でもの凄い衝突音がする。
「おいおい、先輩やり過ぎじゃないですか。」
先輩が庭に落ちている手のひら大の石に能力を使用したようだ。
冷や汗の次は血かよと愚痴りたくなる。
「なあに、魔夜さんが結界を貼ってくれているんだ。この程度余裕だろ。」
いやいや、ソニックブームが発生するだけの速度で石を打ち出すのは十分ヤバいでしょ。
ただまぁ、そっちがその気なら俺だって全力で、周囲への配慮は一切なしでやってやるよ。
「先輩、いいんですか?魔法使い相手に距離を空けちゃってさぁ。」
右手の人差し指を先輩に向け、左手で肘の内側を支え、あえて指先を発光させる。
意識をこっちに向けさせるために。
そして、パッと空を指す。
「ブラフだよ。バーカ。」
先輩が馬鹿正直にビームか何かが俺の指先から飛んでくると思い、頭上を確認していなかったおかげで空に八つの魔法陣を生成できた。
先輩も気づいたようで視線を俺から魔法陣へと移した。
「
先輩は一度バックステップで回避そのまま空中へと逃げた。俺は追撃する。
「
先ほど生成した魔法陣に追加で魔力を流し込み、魔術を後から改変する。
実はこれは魔夜にもできない俺だけの技術なのだ。
だから先輩も所見で対処できないだろう。
そう思った。そう思い込んでしまった。
先輩は飛び回る。縦横無尽に空をかける。
弾幕を潜り抜け空高くへと。
そうして、束となり先輩に襲いかかってくる光の塊。
それに対して先輩は右足を高く掲げ
「
そのまま足を振り下ろし消滅させた。たったの一踏みで。
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