世界樹【ユグドラシル】
それはあまりにも巨大な樹木
否!生き物
確かに感じる魔力の流れが生き物その物、この巨木は息をして生きてる、そう俺たち動物と同じように┅┅┅┅┅┅
霧に包まれた空間を抜けて益々感じる魔力の波動
【幻惑の霧】世界樹事態が防衛の為に張った結界だが敵意が無い者や企んで無い者は通してしまう
甘い仕掛けだが嫌いじゃ無い
まぁ俺はただの観光なんだし、見るだけなら問題無いからかすんなり通してくれたようだ
これが世界樹かぁ!デカイ!
幹周りは100mとは利かないぞ!それと樹高が高すぎて分からん!う~ん首が痛い┅
〖ヒトの子よ!お主は何者じゃ?〗
へっ?誰?┅┅もしかして世界樹が話してる?
〖ガッハッハ!そうじゃ儂じゃよヒトの子よ 何か毛色が変わったヒトなのじゃが?〗
そうかやはり分かるのか、俺は人間だよ、ヒトでは無いらしい、世界樹の爺さんなら知ってるだろう?異世界からの転生者だよ
〖異世界からのぉ┅それは初めて聞いた 興味が出て来た 良かったら話を聞かせてくれんか 儂の腹に祠があるじゃろう?そこへと入ればこの念話ではなく直接話せる サッサァ早う! 〗
やれやれ┅昔から爺さん婆さんには懐かれたがそこは同じだね
祠は誰が祭ったのか否、奉ったのか綺麗に飾られ幕が張られてた
ご丁寧に祭壇があり何かの信仰なのか?
世界樹ともなればそれも分かるけど?誰が飾ったのかは不思議だ、そもそもこんな所に誰も来れないだろうし┅┅
『フッフフ、この祠がおかしいと思ってるようじゃな?』
「そうなんだよ、こんな所に来れる奴はそうそう居ないだろ?誰が奉ったのか?疑問に思うのは当たり前だよ」
『そうじゃな、では教えよう、ここを奉ったのはエルフの民じゃよ、随分と昔なのじゃが┅ざっと100年前かのぉ┅』
「100年も前って!それでもこんなに綺麗なのか?」
『アハハ!それは魔法が掛けられてるからの、それにエルフの民は100年なんてヒトの10年にも思わんだろう、あ奴らは時間の流れが遅いからのぉフッオホホ!』
どんだけだよ!ヒトは100年も生きねぇよ!この世界の平均寿命は確か55歳だった!短いんだ!
「わざわざこんな所に来るなんてエルフの民は余程暇なんだな」
『まぁあのモノ等の国には儂の弟がおるからの、大事に思おてくれるのじゃ、さて?お前さんは異世界からの者で人間と申したな?』
「そう、俺は地球と言う星で産まれて死んでここにフォーリアさんの誘いで転生したんだ、フォーリアさんってのは全智全能神フォーリアだよ」
『なんじゃと!フォーリア様の使途様!ハハーッ!』
「イヤイヤ!そうじゃ無くて世話になっただけだよ、使途なんかじゃない!それに断る!」
『ホォ~神の使途を断るとな?それにフォーリア様をさんで呼ぶとは┅これは面白い御仁じゃ、ゆっくり出来るのじゃろ?』
「ああ、ここへは観光に来ただけだし、ゆっくり出来るなら助かる」
『観光?┅┅ヨイヨイ、ここで寝泊まりすれば良い、腹が減ったら儂の実を食べると良い、たんとあるからの』
「否!まてぇい!世界樹の実なんて普通に食べれるのか?なんか凄い薬だと聞いたが?」
『ガァハハッ!薬じゃと?面白い事を言う、確かに食べれば元気にはなるじゃろう、腹が膨れるからのぉ』
「えっ?そうなの?そんななの?まぁ確かに木の実だから別に食べてもおかしく無いよな、木の実は沢山食べてるから味を見てやるよ」
『そうか?それは楽しみじゃ、儂の実が不味いのは駄目じゃからな?フォホホッ!』
(何なのこの会話!世界樹の実を腹ごしらえに食べるですって!はぁ~知らないって怖いわね┅)
「へぇ!これが実かぁ、デカイな!どれどれ?┅カブッ┅ウッ┅」
『どうじゃ?どうした?』
「うんま~い!なんて繊細な味!甘いけどホンノリと酸味があって香りも凄く良い!これは2つくらい平気で食べれる!旨い!」
『そうかそうか!それは上々!まだまだ沢山あるからな、何なら全部貰ってくれ、放っておくと腐るだけじゃからな』
「良いの?かなり有るよ?俺は収納を持ってるから全部収穫出来るけど?」
『魔法バッグを持ってたか、良い良い!全部収穫しておくれ、話のお礼じゃよ、儂1人でずっと動けんからの、こうして話せるのは何よりの褒美じゃて』
「そうだな、話せるのに1人でいるの辛いよな、俺には妖精達や精霊達がうるさいくらい話してくれるからなぁ、寂しいとか思わないもん」
『ほぅ?精霊や妖精と話せるとは!では触れる事も?』
「あっそれね?シルファも言ってたよ、精霊とかに触れる事が出来るのは居ないって、だから俺は変な奴らしい」
『ガァハハ!変な奴とな!その精霊は良く言った!確かに変な奴じゃな、ソナタは凄く珍しい者じゃ、異世界から来た者は初めてじゃし聞いた事も無い、儂は2万年生きてこの星の事は全て知っておるが誰も異世界など知らん、それとフォーリア様に会って話せるヒトなどおらんのじゃ、そもそも神域ヘ行けるモノがおらん』
「それね?何でも教会へ行けば会えるって言ってたぞ、だから忘れず町へ出たなら教会ヘ行くように言われてる、あの白い空間が神域なんだろ?そこへと通じるみたいだ」
『┅┅┅┅いやはや、とんでもない奴じゃな┅観光とか申したな?それはなんじゃ?』
「観光ね┅まぁ物見だよ、この巨木を見に来ただけさ、珍しい木だもん、それに有名だしね、1度は見たいじゃないか」
『ウォホホ!ただ見るだけでこんな森の奥へと来たのか、お前さん相当物好きじゃな?』
「まあそうだよなぁ、ああそうだ、俺の名前はジョウだよ、本当は榊譲二って言うけどこの世界ではジョウって名前になってる」
『そうか、ジョウ┅ではジョウよ、お前さんの地球と言う星の事を教えてくれんか、どんな所じゃな?』
それから朝方までずっと話してた、爺さんが次から次に質問するからね、大分興奮してたな、木が揺れてた┅それにしても面白い、木が話すんだぜ
正しくファンタジー世界だよなぁ、それとコーヒーを入れて飲んでると爺さんも飲みたいって┅
飲めんのか?
ポタポタと垂らしたらスゥ~と染み込んで飲んだ!って?
何でもコーヒーに似た植物が有ると言ってた
帝国の向こう側の国みたいだ、いつか行ったら収穫しよう(木ごとだけど)
しかし何でも知ってる、流石2万年も生きてるだけ有って世界の事に詳しい、それとエルフ国の世界樹や東大陸の
爺さんが言うにはエルフ国は何か問題が起きてるらしい┅┅だから100年経っても来ないんだって
帝国との争いが激しく国が弱ってると、弟?の世界樹も弱ってるから枯れるかも知れないと言ってるって?ヤバくないか?
だって世界樹ってのは世界の魔力やマナの源じゃね?
枯れたら供給が減るじゃん!そしたらバランスが崩れこの星に悪影響マシマシじゃん!
『大丈夫じゃよ、あれが枯れても代わりが育つ、ジョウが住んでる湖の側に幼木が育っておる、これも何かの縁じゃな、その幼木の側にジョウが降り立ったのは偶然とは思えん、ソナタからは清らかなマナが溢れておる、そのマナを感じて幼木がソナタの居住地へと移ったようじゃ、ほれ?【命の泉】の側じゃ、フォッホホ!これが神の奇跡と言うモノかのぉ』
「えっ!あの池に世界樹の苗が移ったって?あそこは世界樹には狭いぞ?大丈夫なのか?」
『フフフ、大丈夫じゃよ、我等は御神木じゃて、造作も無い、大地を変えるだけじゃ、それに幼木には長けた能力が備わっておる、これは大地神モーム様のお力じゃ、我等世界樹はモーム様の眷属、創造神様から生まれたがその後モーム様へと受け継がれた、じゃからな?大地を動かすのは容易いのじゃ』
「何だよそれ?じゃあエルフ国の世界樹もサッサと移動すれば良いだけじゃん!」
『それが巨木になるとそうもいかん、動くと天変地異が起きるじゃてな、それは愚策じゃよ、枯れるならそれで良いのじゃ、しかしこの大秘境に2本の世界樹が有ると世界は混乱するじゃろう、何故なら魔境のマナと魔力が膨れ上がる、魔物も増えモンスターが強力に育つ、この星の生き物はそれに耐えられるかのぉ┅』
うへぇ!そんな大事な事を!じゃあエルフ国の世界樹が枯れたら駄目じゃん!そうだよ!絶対に駄目だ!今でもこの辺りの魔物やモンスターは強いって!
それが町なんて行ったら大混乱だぞ!
「なぁ爺さん?エルフ国の世界樹は本当に枯れるのか?なにがしかの原因とか無いのか?」
『原因は愚かなモノが枯れさせてる、エルフの国を我が物にしようとしてる愚か者じゃ、しかし世界樹はエルフの民が守る事じゃからな、代々エルフ族はその為に生まれて来たのじゃ、森を守り精霊と生きる、何より世界樹を守る民なのじゃ』
「それは分かるけどエルフだけで守れんのか?そんなに強いのか?精霊だって死ぬのか?」
『それは精霊とて争いで大地が荒れたら死ぬじゃろう、こればかりはどうする事もできん、鎖国して友好な国を持たなかった皺寄せじゃな、どこぞの国とか手助けすれば話しは変わるんじゃがそれも難しいじゃろう、散々ヒト族を下に見てきたツケじゃな、安定は誰しも増長してしまう、それが今のエルフ族じゃ、滅びるものも仕方ないじゃろう』
まぁ悠長な事を、あのエルフの国が滅びるって┅何だか嫌だな、俺はエルフの事が好きだからかそう思うだけで現状のエルフ国は知らない、ヒト族を下に見るって?
「なぁ爺さん、ヒト族を下に見るとは?」
『エルフのモノはヒト族を下等なモノとして軽蔑してるのじゃ、何時からそうなったのか┅実に愚かな事じゃ、容姿や寿命と魔力量の違いがそうしたのかもなぁ、だからか国を閉じて何処の国とも付き合わなかった、そんなじゃから帝国に攻められたのじゃ、仕方ないのぉ┅』
成る程、エルフは鎖国してヒトと自分達の違いを誇ったのか、長生きで容姿端麗、魔力が多く精霊と仲良し、ヒトとは違う、ヒトは短命で魔力も少ない、その為に弱いから下に見たのか┅
これは俺も仕方ないと思うよ、ブライドじゃ飯は食えねぇ、それを国が選んだんならどうしようもない、自業自得じゃね?
『ジョウ?外に何やら集まっておるぞ!フフフ♪』
「何だよもう朝か?何やらって?」
世界樹の前に生き物が集まっていた、それは動物、この世界では
鹿にオオカミ、イノシシにウサギ、クマとか色々┅┅いるじゃん
それと魔物もいるな?あれはなんだろう?
『フフフ、フェンリルよ!お主も来たのか?それにグリフォンとハーピーも!向こうにフェニックスもおるのぉ』
「なぁ?精霊がすんごく来てるぞ、妖精もかなりだ、何の集まりだ?」
『それはあのフェンリルとフェニックスに尋ねたら良い、フフフ♪』
はぁ~なんであんな魔物がいるんだよ!モンスターだろうが!
『世界樹よ!そこにヒトの様なモノがおるな?』
『世界樹ってばなんでヒトを近づけたのよ!ヒトは駄目!』
『フフフ♪フェニックスよ!ソナタの目は節穴か?フェンリルは分かっておるようじゃが?』
『何よ!ヒトじゃ無いなら何なの!って?┅┅何よこのマナは!そこのモノから?』
『フフフ、分かるか?このジョウはヒトでは無い!人間と言う者だ、分かるじゃろう?この清らかなマナと魔力、それで儂は力が若返ったのじゃ、あの精霊樹もじゃ、ここにおる
辺りはシーンと静まりジッと俺を見てる、でも精霊達や妖精達は世話しなく騒がしく俺に纏わりつく
«良い香り!»«ジョウが来てる!»
«遊ぼ?遊ぼ!»«触れるよ!»
«おかしなジョウ!»«貴方がジョウね?ウフフ»
まぁ何時もながら騒がしい、しかしフェンリルはジッと動かない、そして言い放つ
『我は神獣フェンリル!そこな人間とか申すモノよ!我の側へ来い!』
『私は神獣フェニックス!貴方に話があるわ!』
「なぁ爺さん?行かなきゃ駄目かぁ?」
『何を言ってる、ほら?待ってるのじゃぞ、早う行け』
トホホ┅なんでモンスターとお話なんて┅もう転移して逃げるか?でもそれをしたら爺さんが困るだろうなぁ、仕方ない
「初めまして、人間のジョウと申します┅」
『フム┅ジョウよ?お主は一体何者なのだ?ヒト族とは毛色が随分と違うな?それに神格が宿っておる、どの神様が使わした?』
「そのぉ、使途とかでは無いので、強いて言えば友達にフォーリアさんが当たるかと?」
『なんだと!あの全智全能神フォーリア様をさんだと!それに友達だと抜かすか!』
『なんと言う事を!仮にも神様を友達等と!不敬にも程かあるわ!いっそ始末してしまいましょう!』
『グヌヌ!フォーリア様を友とのたまうか!見れば品粗なヒトが逆上せおって!許せん!始末してくれる!』
すると空が割れて光に包まれた一条の虹から何者か現れた
あちゃー!なんで来るんだよ!ややこしくなるだろ!フォーリアさんや?またそんなエロい格好で!まいったなぁ┅
【この愚か者め!私のジョウに何をしてる!フェンリル!それにフェニックス!そこへならえ!首を落としてくれるわぁ!この大馬鹿者!】
『『ヒェー!どうかお許しを!フォーリア様を友と不敬千万な事を申すモノに制裁しようとしたまで!』』
【友!ジョウがそう言ったのですね?もぅジョウったら、友じゃ無くて恋人とか言えば良いのに┅】
『┅┅┅┅┅フォーリア様はこのモノをご存知で?』
『なんでこんなヒトが崇高なフォーリア様を?』
「フォーリアさんや?なんで来たんだ?アンタが来たら駄目だろ!下界に干渉したらカルルーダさんに叱られるだろ!」
『ごめんねぇ、それは分かってるけどこの愚か者達にムカムカしてつい降りて来たの、ガルルーダ様にはちゃんと話すから、そんなに怒らないで?ネッ?』
「はぁ~マッタク、仕方ないなぁ、それにフェンリルだろうがフェニックスだろうが、俺は負けないと思うよ、これでも随分と鍛えたからね、そもそも争いはしないし」
『でもジョウの事が心配で┅駄目よ無理しては、貴方は大事な私のジョウなんだから』
「ハイハイ、分かってる、俺もフォーリアさんが大事だから馬鹿な事は辞めて下さい、教会で会えるんでしょ?それまでは無茶をしないで、カーオスさんが怖いんでしょ?」
『そうね!分かったわ、まあここはどうにかなったわね、じゃあ帰るわ、ジョウ?早く町へ行くのよ、教会へも忘れずね?』
そう言うと抱き付いて唇を奪われた┅だからオマケにおっぱいと尻を忘れず揉んでやった
フフフ♪フォーリアさんのおっぱいと尻は大好きだからな!
『ウフフ!私もジョウが大好きよ!じゃあねぇ!』
あっ!読まれるんだった!
『ガァハハ!ジョウよ!ソナタはマッタク規格外じゃな!女神様と対等に話し抱擁するなど、それにおっぱいとお尻を揉む等とは!ガァハハ!』
『なんと!我は夢を見てるのか?まさかそんなヒトが?否!ヒトでは無い!神の御子?』
『ひぇー!私はなんと不敬な事を!神の使途様にあんな口を!スイマセン!スイマセン!どうかお許しを!』
「良いから!まぁフォーリアさんとはあんな感じだよ、それよりフェンリルだよね?かぁあ!綺麗な毛だよね?それにフェニックスは凄く荘厳な色だ、凄い!」
『┅┅そのぉ?ジョウ様?アナタ様は使途様では無いと?』
『御子様でも無いと?』
『『何者!』』
『だから言っておるじゃろう!人間と言うモノだ!ちと此方へ来い!放れてたら話せん!』
フェニックスとフェンリルは世界樹の近くヘ行き何やら聞いてる
そして凄く驚いて俺をジロジロ見るんだが?
そして2匹が俺の前でペタンと頭を下げ謝る
『『申し訳ありませんでした!』』
エッヘン!分かれば宜しい!
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