RPGの様な世界になりました。

Uzin

第1話 変ってしまう世界

 二〇二三年大晦日。

 新年を祝う人々が街に溢れていたり、その逆に家でのんびりと過ごす人々がいたりと、それぞれが好きに新年を迎えようとしていた。

 誰しもが、いつも通りの新年を迎えられると思っていた。

 だが、その時は訪れなかった。

 二〇二四年一月一日〇時〇分。

 世界は変わりは変革を迎えることになる。

 新年を迎えると同時に、この世界に存在するありとあらゆる存在に言葉が届けられた。

「この世界にステータスの概念を付与し、それ以外の理を排しました。

 それと同時に、この世界に私が今まで進入を拒んでいた存在を順次引き入れます。

 この世界に住まう者達よ、新しい理が適用されたこの世界に適応し生きなさい」

 この言葉が届けられると同時に、それまで世界を支配していた概念はなくなり、新しい概念が反映されることになった。

 これにより人類の都市からは光が失われた。

 電気が止まってしまったのだ。

 本来であれば混乱が起こりそうなものだがそうはならなかった。

 先に届けられた言葉が終わると共に情報が人々に流れ込んできたからである。

 それは、新しい概念の最低限利用するための知識。

 即ち、ステータスの確認方法とその意味。そして、そのステータスを成長させる方法だった。

 またこれと同時に世界の各所に先の存在が語っていた「進入を拒んでいた存在」が発生する場所が生まれることになる。

 今はまだ、その新しくこの世界に現れることになった存在は、その場所で発生したばかりで、発生場所から出てくることはなかったがいずれ出てくるだろう。

 人類は混乱する者、困惑する者、狂喜乱舞する者等様々に分かれた。

 ただ、確実に言えることがある。

 世界は変革の時を迎え、それまで当たり前だったことが当たり前では無くなり、それまで空想上の物事だった様な世界になってしまったと言うことだ。

 そして人々はまだ実感していないことだが、今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなっていた。

 それは何故か。ステータスにその能力が無いからである。

 例えば、大工の技能を持っていた人がいたとしよう。

 この人は新しくなってしまった世界では、一切の大工の技能が使えなくなっていた。

 スキル等に大工で使用する為のものを持っていないからである。

 これにより、人類は文化・文明のリセットを余儀なくされるのだった。

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