第4話 たからもの

「どうしてなくしちゃうの? あなたの宝物だったでしょ?」

 わたしは猫のベルナルドをつかまえて聞いてみた。彼のお気に入りだったおもちゃが、どこにもない。

「さっきまで、ふり回してたじゃない」

 あちこちさがしても、どこにもおちてない。ちょっと目をはなしたすきに、いつだって彼はおもちゃをなくしちゃう。

 もうがまんできない! わたしはパパにいいつけてやることにした。

「パパ! ベルナルドったら、わたしがプレゼントしたおもちゃをなくしちゃったのよ!」

 わたしがさけぶと、パパがリビングにやってきた。

「ああ、それならきっと、彼の宝箱にしまったんだね」

 パパはふふーんって顔で笑ってる。

「宝箱?」

「ソファの下を見てごらん」

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