第5話 創作座りっぱなし危機一髪、の話

 現在、諸事情で私は入院生活中である。

 そのため運動不足解消に、(体調に触らない程度で)入院棟ビルの階段を一階から最上階まで上がって下りてするのを日課にしている。

 入院前も忙しさにかまけて軽く汗をかくような生活をしていなかったので、そこそこいい負荷である。

 コツは、息が上がり過ぎない程度の自分に合ったペースを保ち、一定の速度で続けることかなと素人判断でやっている。(※そう、素人です。注意。

 持久力を鍛えるのは、マイペースが一番大切なように思う。

 頑張ってくれ、私の呼吸器と持久筋。



 さて、ろくすっぽ運動もしない人間が、久々に血流の良くなる活動をすると陥る症状がある。

 例えば、ほんのり汗をかく程度にウォーキングしている最中などに、


 、アレだ。


 時々同じ経験をする人の話を聞くので、特別な症状ではないらしい。

 私が調べた生半可なネット情報によれば、急激に血流がよくなることで溜まっていた老廃物質が流れ出し、それにヒスタミンという物質が反応することでかゆみが発生する…………という話らしい。(※私も専門家ではないので、信頼性の高い文献まで至れていない。また深追いする気になった時に、改めて調べたいと思う。



 …………老廃物、溜まっているらしい。

 結構、動き回る性質なのに。

 動き回りすぎて注意されるくらいなのに。

 そこそこショックである。


 まぁ、私個人で言うともともと貧血はひどいし、水分補給を怠るとすぐに体調が悪くなるし、というタイプではある。

 血流がヨワヨワである。

 入院時の血液検査で「ちょっと!?ヘモグロビン値と貯蔵鉄量が低い!!鉄剤出すから飲んでね!!」と注意されたが、それも最早毎度のことである。(※貯蔵鉄は肝臓に普段貯蔵されている鉄分のことである。体に不足したらそこから放出されるらしいが、私は貯蓄もままなっていない。金欠ならぬ、鉄欠である。鉄玉でも舐めなさい。←



 そんな感じで『よわよわ血流体』の私は、多少の日常動作では体に老廃物が溜まってしまうらしい。

 運動が必須である。

 だが、納得する面もある。


 創作している時間だ。



 創作しているとずっと座っている。

 本当に、良くも悪くも、集中するとずっと座って作業している。

 これが日常になっているし、今までも似たような生活をおくる創作仲間と過ごしてきた。

 そのせいでこの座り時間の長い生活に疑問を抱きにくかった。

 なんとなく一般的とは言えないと思ってはいても、本当の意味で『自分は特殊な生活を送っている』という実感を持って自己を省みたことが無かったのかもしれない。


 創作者、座り過ぎなのでは???(イマサラ




 健康は大切だ。

 作品は一日にしてならず。

 世に跋扈する全ての創作同志たちには、個人的感傷ではあるが、できるかぎり健康でいてほしいと思う。

 作品制作に邁進するためにも。


 そう思えば、私ももう少し汗をかくような運動の日課を持つのがよかろうと思う。

 日課で動いていれば、久々の散策だと意気揚々歩いている最中、路上で脚を掻きまくるというような不審な行動を働かなくても済むであろうし。

 たまりかねて掻きまくったせいで太腿に赤い斑点の内出血が散り、残念な太腿になることもなくなる。

 この話の最中、主治医も「私も運動しなきゃですね……」と遠い目をしていたので、担当医と患者の二人三脚で内省するばかりである。

 現代社会人、みな、時間がない。

 あゝ、哀しきかな。

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