第4話 義妹のはじめてをもらう日

 亞里栖の右腕に触れていく。

 わずかに身を震わせ、不安気に俺を見つめる。


「細いな……」

「馬鹿。えっち……!」

「まだ腕に触れただけだ。このレベルで俺をののしってどうする」

「そ、それはそうだけど」


 そう、まだこれからが本番。

 デザートをゆっくり味わうように、少しずつ範囲を広めていく。

 腕から腰へ手をの伸ばして触れていった。亞里栖はくすぐったそうに目を細める。


「大丈夫か……?」

「うん。てか、こうして近くで見ると両ちゃんの体、結構鍛えられているんだね」


 俺の体を観察する亞里栖は、美味しそうなものを見るような目を向ける。


「これでもジムに通っているんだよ。ほら、最近ってサービスいいだろ」

「あ! わたしも通ってるよ。定額料金の格安ジムだよね。トレーニングマシンだけじゃなくて、カラオケとかネイル、セルフ脱毛やコインランドリーも使えちゃうんだよね」


 そう、最近あちらこちらに店舗があるコンビニのようなジムだ。

 あまりに安くて便利なので、俺は会員登録していたのだ。だから、体を鍛えていたのだ。

 とはいえ、実は脱毛とマッサージチェアが目的なんだけどね。

 おかげで体の毛はほとんど脱毛できた。

 こういう時・・・・・の為に整えておいて良かったぜ。



「そうか、亞里栖も使っていたか」

「だって便利じゃん。学生でも通える額だし」

「そうだな。月額三千円くらいだし、安い」



 ――って、まてまて。

 ジムの話で盛り上がっている場合ではない。

 さっさとシャワーを浴びてもらって、風呂でイチャイチャしたい。



「ど、どうしたの?」

「俺は十分に体を洗った。先に浴槽あっちで待ってる」

「分かった。少し待ってて」



 プールのような風呂へ向かう。

 だが、肝心のお湯がまだ張っていなかった。……いかん、忘れていた。

 蛇口ハンドルを捻り、俺は立ち尽くした。


 あとは亞里栖の準備を待つだけ。

 それだけだ。


 少しして亞里栖がこっちへ来た。落ち着かない様子で。



「すまん、亞里栖。まだお湯が」

「あんまりないね。腰湯くらいだね。ま、いっか。入ろ」

「そのうち溜まるか」

「そそ」


 気にせず風呂へ足をつける。そして、ゆっくりと腰を下ろしていく。

 驚くべきことに、亞里栖が俺の股の間に座って身を委ねてきた。……うおッ!


「あ、亞里栖……!?」

「こ、この方が……いいでしょ」

「そ……そうだな。この方がいい」


 亞里栖の背中が目の前だ。

 こうして見ると、とても小さく感じる。


 ……む。


 まだ水着とは許せん。

 空気を読めない悪い子には罰を与えねば――!


 俺は雰囲気を出す為にも、亞里栖の水着に手をかけた。



「――ひゃっ!」



 驚いてヘンな声を漏らす亞里栖。すごく慌てていた。だが、もう遅い。

 胸を覆っているトップスを外す。

 ヒモで固定されているだけだから、驚くほど簡単にするりと取れた。



「……おぉ。感動的だ」

「う……恥ずかしい……」



 耳まで真っ赤にする亞里栖は、両腕で胸を隠す。そんな動作に俺は興奮した。

 残すは下だけ。

 あとはこれを脱がせば、生まれたままの姿となる。


 けれど、なんだろう。

 急に水着ビキニ姿へ戻したくなった。



「うーん……」

「え? なにかご不満?」

「亞里栖、悪い。これ返す」


 トップスを返して、もう一度つけてもら――いや、俺がつけた。


「なんで?」

「水着のままの方が好きだからだ」

「あ~、そういう性癖?」

「うむ。どうやら俺はこの方が興奮するらしい」


 こんな状況になって俺は自分の趣味に気づいてしまったのだ。

 義妹の水着姿がこんなに魅力的だとは思いもしなかった。……そうだ、中学生一年生の頃を思い出した。あの時は、アイドルの水着写真だけで興奮していたものだ。

 だが、スマホを買ってもらえると直ぐにモザイクありの動画を楽しんだものだ。でも、モザイクがあった。


 肝心な部分が見えなかったのだ。


 なぜだ。なぜ日本のえっちな映像はモザイクだらけなんだ! ふざけんなッ!


 最初はそう思った。

 だが、見えないからこそ探求したくなる……。


 性の悦びを知るために俺は、ネットを徘徊しまくった。そして、良い時代に巡り合えた。


 今やいろんなサイトで無修正が見られたのだ。


 ようやく俺はエル・ドラード黄金郷へ辿り着いたのだ。



 あの“もどかしさ”を思い出した。

 同時にまた味わいたいと感じた。


 見ようと思えば一瞬で亞里栖の裸を見れるだろう。だけど、そうじゃない。それでは楽しみめない。



「楽しみたいんだね?」

「そうだ。俺は亞里栖を堪能したいんだ」

「ヘンタイ兄貴だったとはね~」

「今更なにを言う。男は――いや、人類は全員ヘンタイだ。亞里栖だって、興味がないわけじゃないんだろ」


「ま……まあね。ちなみに今時のコは、未経験が多いらしいよ」



 そういえばニュースでやっていたな。

 性交渉の未経験率が四割を超えたとかなんとか。童貞が増えまくっているらしい。近年は弱者男性も増加傾向だからな。仕方ないけど。

 俺もその一人であると思ってはいる。



「しかし俺も現時点では未経験だ」

「両ちゃん、童貞かー」

「お前も処女だろ。ここへ来る前に言ったろ」

「…………う、うん」


「本当にはじめてもらっていいんだな?」

「いいってば。別に嫌いじゃないし……」

「分かった。はじめるぞ」

「ど、どうぞ」



 最初にやるべきことは決まっている。

 そうだ。俺は亞里栖の水着の中に手を突っ込んで……その豊満な胸を、この手で触れて揉んでみたいのだ。


 俺は手を伸ばし、亞里栖の胸へ……。

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