第14話 新年の願いと魔法の桜

新しい年が桃源郷に訪れ、村は新年の祝賀の準備でいっぱいだった。小袖君と恋歌は、新年を迎える特別なイベントとして、魔法の桜を咲かせる計画を立てていた。これは、冬の寒さの中でも咲く特別な桜で、見る者に新しい始まりと希望の象徴となるはずだった。


彼らは村の広場に大きな桜の木を植え、小袖君の魔法によって冬にもかかわらず桜が満開になるようにした。恋歌は村人たちを集め、桜の下で新年のカウントダウンをすることを提案した。


「みんなで新しい年を桜の下で迎えましょう。それぞれの願い事を桜に託して、素晴らしい一年にしましょう!」と恋歌が呼びかけた。


大晦日の夜、村の人々は一つになり、新年を待ちわびた。冷たい空気の中、魔法の桜は幻想的に輝き、その美しさに皆が息をのんだ。時計の針が真夜中を指すと、村中から歓声が上がり、新年の祝いが始まった。


小袖君は桜の木の前で一つの宣言を行った。「この桜が、今年一年、私たちの村にとって幸福と平和の象徴となりますように。また、私たちの村がさらに団結し、お互いを支え合う場所であり続けることを願います。」


恋歌はその隣で、手に持った紙に書かれた願い事を桜に結びつけた。それを見た他の村人たちも、一人一人が自分の願い事を桜に結びつけ始めた。空は花火で彩られ、祝賀の音楽が響き渡り、温かい甘酒が配られた。


祭りが終わりかけた頃、小袖君と恋歌は手を取り合って、静かに桜の美しさを眺めた。「恋歌、今年も一緒にいろいろなことを乗り越えていけたらいいね」と小袖君が言った。


「うん、小袖君。一緒にいる時間が私の一番の宝物よ。今年も、そしてこれからもね」と恋歌が答えた。

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