第14話 下層の強敵

「此処は、牢屋の中か?」


薄暗いが、鉄格子の先の通路には、ところどころに光が灯っている。


「早く、ここから出ないとな。」


どうやら、剣は取られなかったみたいだ。

剣があれば出ることはできる。


火斬カザン!」


俺は扉を斬り、通路に出た。

通路に人は居ないみたいだ。


「出口は何処だ?」


俺は歩いて、ある部屋に出ると、人がそこら中に倒れている。


「な、何があったんだ?」


奥に誰かがいる。

こちらに走ってきて、攻撃を仕掛けてきた。


「強い、ってメイリィ!?」


攻撃してきたのは、間違いなくメイリィだ。

どうやら、すごく混乱しているみたいだ。


「メイリィ落ち着け!俺だ、キラだ!」


声が聞こえてないようだ。

ならば、押さえつける!


「メイリィ!もう敵は居ない!大丈夫だ!」


だんだん落ち着いていくメイリィはやがて疲れ果てて、眠った。


「疲れたんだな、大丈夫だ、みんなの場所に戻ろう。」


俺はメイリィを背負って、歩き、出口らしき扉を見つけた、俺はゆっくり扉を開ける。


「此処って、天空の国…だよな、」


俺の目に写った景色は、空は見えない密閉された街がある大きな空間だった。


「まさか、天空の国の下にこんな空間が?」

「まぁ、いい、まず上に戻らないと。」


街の中に入ったが、周りがとても静かだ、たまに人が居るが、みんな死んだ目をしている。

上はあんなに栄えていたのに、此処はまるで違う。


「おい、お前ら、もう逃げたのか?」

「お前は…」


こいつ、俺を路地裏に吹っ飛ばしてきて襲ってきた奴だ。


「何が目的だ!なぜ俺達を牢屋に閉じ込めた!」

「あぁ?俺達は上に依頼されただけだ、次の命令が来るまでお前らは、牢屋で大人しくしててもらうぜ!」


その瞬間、ナイフが投げられる、俺は転がり避ける。


「お、それに反応するか、じゃあこれは、どうだ?」


無数のナイフが俺に向かって飛んでくる。

俺は物影に隠れる。

背負っていたメイリィを壁に寄りかける。


「メイリィ待っててくれ。」

「ハハッ、こんな時に仲間の心配か?優しいやつだな、俺はジョーカー、金さえ貰えば何でもやる、いわゆる何でも屋だ、覚えていたほうがいいぜ!」


くっ、またナイフか、なら一気に攻める!


烈火一灯線レッカイットウセン!」


鉄のぶつかり合う音が響き渡る。


「へぇ、お前は火の魔法か。」


何!?ナイフで受け止められた!?こいつ、強い!

いや、怯むな!畳み掛ける!


「オラァ!」


俺の腹部に蹴りが入り、吹き飛ばされて壁に埋まった。


「こいつ、何で魔法を使ってこない、って思っただろ?知ってるか、この世で魔法を使える人類は八割、魔法を使えない人類は二割、俺はその二割だ。

この魔法ができるできないの差を何で埋めてると思う?正解は、やれることすべてだ、すべてを利用し、すべてを極める、お前ら魔法使いに勝てるようになぁ!」


ナイフが飛んでくるが、さっきまでのナイフとは何かが違う!

このナイフ、当たったらやばい!


「ほいっと」


すると急に男が現れ杖でナイフを弾く。


「あ…あなたは?」

「そんな事より、メイリィちゃんは何処かな?」

「あっちにいます。」

「分かったよ〜、じゃあ、目を閉じて。」


俺は言われた通りに目を閉じた。


閃光フラッシュ


「くっ…チッ、居なくなったな。」


俺は気付くと違う場所に居た。


「いや〜危なかったね、やっほ〜、テントで会った時ぶりだね。」

「貴方は、たしか、ティオさんですか?」

「そ〜そ〜僕はティオだよ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る