第3話

 私が過去に戻ったと理解してから少しだけ月日が経過したけど、未だにこの体に慣れない。

自分の幼い頃ってこんなに不自由だったのかなって思う事が多くて……、例えばそうベッドに横になる為に態々踏み台が必要だし短くなった手足は想像以上に歩みが遅くて、大人だった頃の感覚で歩こうとするともつれて転びそうになる。

……子供の身体ってこんなに不便な物だったのねって思うけど、利点もあって幾ら動いても全然疲れが来ないのは凄いと思う。


「マリスお嬢様?どうなさいましたか?」

「……ん、つまんない」

「つまんないと仰られても仕方がありません、領主様の言いつけで館から出る事を禁じられてますから」

「……うん」


 ただ小さい頃は何の違和感も無かったけど、大人になってからこの環境に戻ると凄い窮屈に感じる。

何でも私が生まれるずっと前にいたお姉様に当たる人物がある日、唐突に姿を晦まして消息不明になってしまったらしくて……物心ついた頃から一人で屋敷を出る事が出来ずに略幽閉に近い状態になっていた。

ただお父様とお母様がそんな私を退屈させないようにと、色んな本を世界中から集めてくれたり、どんな我が儘を言っても言う事を聞いてくれるからたと理解してから少しだけ月日が経過したけど、未だにこの体に慣れない。

自分の幼い頃ってこんなに不自由だったのかなって思う事が多くて……、例えばそうベッドに横になる為に態々踏み台が必要だし短くなった手足は想像以上に歩みが遅くて、大人だった頃の感覚で歩こうとするともつれて転びそうになる。

……子供の身体ってこんなに不便な物だったのねって思うけど、利点もあって幾ら動いても全然疲れが来ないのは凄いと思う。


「マリスお嬢様?どうなさいましたか?」

「……ん、つまんない」

「つまんないと仰られても仕方がありません、領主様の言いつけで館から出る事を禁じられてますから」

「……うん」


 ただ小さい頃は何の違和感も無かったけど、大人になってからこの環境に戻ると凄い窮屈に感じる。

何でも私が生まれるずっと前にいたお姉様に当たる人物がある日、唐突に姿を晦まして消息不明になってしまったらしくて……物心ついた頃から一人で屋敷を出る事が出来ずに略幽閉に近い状態になっていた。

ただお父様とお母様がそんな私を退屈させないようにと、色んな本を世界中から集めてくれたり、更にはどんな我が儘を言っても言う事を聞いてくれるから以前の私は何ていうか性格が悪いやな子供だったと思う。

特に今目の前にいるメイドに関しても、逆らえないのを良いことにあれやこれやと無理難題を言っては困らせてたっけ……小さい頃はまだ子供のやる事だからと笑って許してくれていたけどある日


『マリスお嬢様の我が儘にはもう付き合いきれません、申し訳ありませんが領主様にお願いしてメイドを辞させて頂きます』


 という言葉を私に言うとそのまま本当に出て行ってしまった。

これに関して当時の私は納得できずに他のメイドや執事に関して、当たり散らし耐え切れなくなった他の人達も出て行き……、そんな私の事を見かねたお母様がお父様に


『私達は親として……過保護にし過ぎてこの子を甘やかしすぎたのかもしれません、あなた、この子を王都にある学園に通わせて様々な方達と交流させましょう』

『それがいいのかもしれないね、辛い環境に置くことで居なくなってしまったダートのようになってしまわないか心配だけれど、今の状態を放置してしまうよりも良い筈だ……許可しよう』


 そうして学園に行った私はその道中で王子様を助ける事になって色々とあったわけだけど、例えば当時は辛い環境だったけど王子に対して一目惚れした私は、彼の気を引こうと学園で学べる様々な事を学び。

思惑通りに親密な関係になって婚約関係になったりその際に王都を見て感じた軍事力不足に関して、立場を利用して色々と進言し手王子も協力してくれましたけど結局何も変える事が出来ず最後には首席で卒業して領地に帰らせれる事になった。

勿論ここでも出来る事をしようとしたけど何も出来ず日々が過ぎ去って後は婚姻の儀を待つだけの身になったけどその時に来たあの集団のせいで、あんなことになったけど……多分今の私は彼と出会う事が無いと思うから関係ないと思う。


「……それにしてもお嬢様は急に大人しい子になりましたね、どうなさったのですか?」

「あのね?私思ったのです……、あれもいやこれもいやと我が儘を言うよりももっと素直になった方がいいと」


 そう、今の私は周りに迷惑を掛け過ぎないように大人しい子供であろうとしている。

こうすればメイドは辞めないし、その後暴れまわって学園に行かされる事も無い。


「それは立派ですけど、少しだけ寂しい気持ちになってしまいますわね……、子供は周囲を振り回す程に元気な位が良いんですよ?」

「……でもそれだとあなたはいずれ嫌気が差して辞めてしまう気がします」

「何を仰いますか、私がマリスお嬢様に嫌気が差す事何てありませんよ?私はお嬢様の事を実の娘のように思ってるのですから」

「ありがとう……、でもそれでもこれからは立派な淑女に慣れるように頑張らせて頂きますわ?そうすればここに将来婿入りする方が安心なさるでしょう?」

「まだ六歳だというのに立派なお考えが出来るようになるなんて……、ピュルガトワール家は安泰ですね、でも無理はなさらないでくださいね?何度も仰いますが子供は周囲を振り回す位がちょうど良いのですから」


 ……この領地は小さいけど国を覆う国を覆う森と山の一部の管理と周辺のモンスターや獣を狩り国を守るという大事な役割を持っている。

男の後継ぎがいないこの領地では外から婿を入れるしかない訳で……、本来ダートと呼ばれる姉に当たる人物が消息不明にならなければ彼女が婿を迎える立場になる筈で、私は他の貴族との繋がりを得る為に嫁入りする事になる筈だった。

以前の私はその事に関して不満を漏らしていたけど、今回は領地から出るつもりが無いのでむしろ好都合だと思う。

ただ……婿入りする人が良い人だったらいいなぁ、例えば王子みたいに私を理解してくれる人だと嬉しいかな。

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