闘い済んで日は暮れて・・。

激戦が終わり用具納めと共に鋼鉄の咆哮は静まる。

艦隊は周囲を警戒し、敵兵の救助を続けた。

さすがに溺れてる兵士を見捨てるのは海軍国家としては出来ない性分。


多くの人命が海底に消えた海域は人魂が飛び交う不気味な海。

何人の人命が消えたのだろう??


恐らく5000は下らないと推測。

幸いにも吉田カメラマンが全てを記録してくれ、後日、

海軍省の検閲が終わったらニュース映画として全国に公開するという。


救助した米兵も大半が大やけどで生き残ったのが100人前後。

海戦の惨さが顕著に出た闘いである。


山本五十六長官は全世界に短波放送でマリアナ沖海戦と銘打ち、

米艦隊が日本領海を侵犯し、敵対攻撃をして来たので返り討ちにした。

後日、詳しい戦闘模様の映画を発表するので見て判断して欲しい。


と、同時通訳で英語を入れ世界に発表。


アメリカはブチ切れたが、後日映画を出すと言うので待つしか無い。

何せ全ての艦が一隻も帰港しないのだ。


ルーズベルトは発狂するが、ケンカを売って返り討ちに逢ったのが痛烈。



連合国からもコケにされ、哀れ見される始末。

仕方ないので大西洋艦隊をパナマ運河で太平洋に回し、駆逐艦数隻とコーストガードで大西洋を守護するしか無い。

艦艇建造を前倒しし、潜水艦で太平洋を監視する・・ハズが。


サイパン沖を通過した途端に全て通信が途絶える。

まさか撃沈された??


実態が掴めず潜水艦司令部はハワイから出る事を嫌がる様になる。

何せ出撃イコール片道切符なのだ。>地獄への。


その後数年は太平洋で作戦行動を取れなくなる偉大なる(笑)合衆国海軍。


その後、中立国スイス経由でサイパン沖海戦のニュース映画が

全世界に公開されると、

欧米諸国は衝撃を更に受ける。

口径は分からぬがナガト型戦艦を凌駕する大戦艦が6隻。


空母は映らぬが、ペラ戦闘機もグラマンを蠅の如くバタバタと撃墜。

艦体を引き裂かれ轟沈する我が大戦艦。

容赦なく駆逐艦まで殲滅する無慈悲さ。


グァム侵攻こそしてないが、もし、帝國が侵略意志を持てば今の合衆国では止める手が打てないのが実情。


そして英語翻訳字幕で・・。


<日本帝國は侵略の意図は無い。だが・・・・。

侵略の敵意を持つならお帰りは地獄だ。

その覚悟を持って我が国に挑むが良い、

合衆国総帥へ。>


「大統領閣下、テイコクニューススクリーンをご覧になりましたか??」


「あゝ、見たとも。。我が愛する太平洋艦隊が滅ぼされるのを。」


「閣下、進言申し上げますが、JAPに敵対するのを辞めて貰えないでしょうか?

奴等はまだ隠し玉を持ってます。あの戦艦、ヤマトと言うそうですが、海軍関係者に

解説させると排水量7万tは越えるそうです。

アレを凌駕する艦を建造するには我が合衆国でも3年は必須。

それも予算無視でです。

幸いにもJAPは侵略する意志は無いと世界に宣言してます。

ただし作戦行動や敵対行動するなら容赦しないとも。

大西洋艦隊を太平洋に回航しましたが、JAPのエリート艦隊に立ち向かうには

力不足です。

もっと申し上げるなら・・前回の轍を踏むだけです。」


副官の言う事も分かる。

だが、我が国から闘いを挑んで返り討ちに逢い、そのままでは・・。

世界から孤立するであろう。


「副官、海軍再建を急がせろ。大戦艦が必要なら合衆国の総力を掛けろ。

予算は全て前倒しにしろ。そしてグァムの陸軍基地からけん制の空襲を続けさせろ。

JAPに息を抜かせるな。

海軍航空隊も空母再建まではグァムで戦闘を続けさせろ。」


大統領命令で全軍に全てが傾注され、KILLJAPの合言葉でJAP討伐に

全米で総力を挙げる事になる。

ただ艦隊再建はどんなに急いでも1~2年はかかる。


JAPは侵略はしてないので最前線はサイパンが最前線。


JAPの暗号解読班に依ると、JAPの通信は雑音のみと言う。

どうも特殊な無電らしく解読不可能だそうだ。


アメリカの悩みは尽きない。。

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