進め!健太郎

クライングフリーマン

DDメンバーのジュニア達

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。

 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。

 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。

 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。

 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。

 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。

 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。

 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。

 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。


 愛宕寛治警部・・・悦司の父。

 久保田あつこ・・・警視正。健太郎の母。

 白藤平一郎・・・丸髷署署長。


 ==============================

 DDメンバーとは、かつて大文字伝子が部活の後輩達と作ったサークルで、探偵もどきの活動をしていたメンバーのことである。


 ある小学校。放課後。

 物部満百合が帰ろうとすると、立ちはだかる、男子3人。

「おい、物部。顔貸せよ。」「お面じゃないから、貸せない。」

「面白い。来い!!」と、3人の内、1人が号令をかけ、3人で取り囲んで裏門から出て行く。

 その様子をスマホのカメラで撮影している、大文字おさむ。

「止めろよ。」と3人の男子の前に立つ、久保田健太郎。

「拉致及び監禁未遂で逮捕する!」と健太郎は言った。

「おい、聞いたか。逮捕するだって。警察でも無ければ子供なのに。」とリーダー格の男子が言った。

「私人逮捕だ。子供でも逮捕して警察に引き渡す権利はある。」

「私人逮捕?習ったことないな。」「そうか。じゃ、教えて貰いなよ、警察官に。」

 山城みどりが、モスキート音をスマホに繋いだ百均のスピーカーから3人に向かって鳴らした。

 みどりが構えた時、既に健太郎は防音の為のヘッドホンを耳に着けていた。

 男子3人は、その場にしゃがみこんだ。健太郎は、満百合をみどりの後方に連れて行き、男子3人に『指手錠』をした。

「110番、したよ。」と、走って来た南原未玖が言った。

 パトカーが2台、サイレンを鳴らしてやって来た。

「ご苦労様。誘拐されようとしたのは、誰?」と、愛宕寛治警部は言った。

 健太郎とみどりと未玖は、素早く愛宕警部を見てから、満百合を指した。

「じゃ、誘拐しようとしたのは?」愛宕警部の質問に、健太郎達は、指手錠された男子3人を指した。

「署で、ゆっくり話を聞かせて貰おうか?」と、愛宕は宣言し、仲間の警察官と共に男子3人をパトカーに乗せ、連れ去った。

 男子3人は、不平を並べたが、愛宕警部は無視した。

 署に着いて、取り調べが始まり、1時間が経過した時、3人の母親が駆けつけた。

「ウチの子が何をやったって言うんですかあ!!」と、受付けで応対した愛宕に母親の1人、大林美佳が言った。

「誘拐未遂です。既に4軒起っています、誘拐事件が。イジメも問題ですが、イジメの一環として誘拐。『子供が遊んでふざけていた』では済みませんなあ。」と、白藤署長が出てきて言った。

「子供がやったことだから、許せ、って言うのも悪戯じゃ無かったら、犯罪ですよね。お・・・署長。」と愛宕悦司がやって来て、言った。

 悦司は、おさむが撮影したスマホを署長に渡した。

「証拠でも、あるんですか?」と、大林が言うので、署長はスマホをかざして言った。

「ここに。実はね、大林さん。目撃証言は多くあるのに、なかなか、その証拠が見つからなかった。そこで、勇気ある少年少女に『調査』を依頼したんです。」

 署長の言葉に、待合シートにかけていた少年少女が立ち上がった。

「名付けて、ミラクル9(ナイン)。」と、悦子は言った。

「所謂、囮捜査みたいなことをして、ごめんなさい。でも、問い詰めても知らん顔されそうだったから。」と、めぐみは言った。

「被害に遭った子供達は、スマホやゲーム機を取り上げられたわ。リーダーの子は、あなた。大林さんの息子よ。流石プログラマーの子供ね。『転売サイト』にアクセスして、一儲けしていた。転売サイトは摘発されたから、そこからも『証拠』はあがるわね。」と、千香乃は言った。

「暴力は振るっていない。傷をつけることは、レイプを含めてリスクがあるからね。」

 おさむと共にやって来た、健太郎が言った。

「事情を話して、学校側に防犯カメラの記録も提出するよう、お願いしてきました、署長。」と、健太郎は言った。

「ご苦労様。あ、お母さんが映っているぞ。」と、白藤場長が言った。

 画面には、『警視正』になった、久保田あつこが記者会見する様子が映っていた。

「かあちゃん、いつ見てもカッケーな。」

 大林夫人たち3人は、棒立ちしていた。

 ―完―


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