第6話 禿げ頭七人衆の襲撃

ロッドと初めて出会った日から数日、ロッドは俺と共に冒険者をやっていた。


ーげこげこの森ー


「疲れたー」

俺は依頼内容を達成した事を確認し地面に座り込んだ。


「大丈夫かい?レンブくん?」

ロッドが問いかけてくる。


「ああ、平気平気。だけど毒ガエルの死体30匹分なんて何に使うんだろ」

「さあ、けど報酬は20万ユンと高額だったし、急ぎで必要だったんじゃないか?」

そんな風に森の中で二人談笑していると、突然背後から俺は吹き飛ばされた。


「ぐはっ!?」

「レンブくん!」

俺は数秒空中に浮いた後そのまま地面に落下した。


「誰だ!よく・・・・・・も」

ロッドが怒りながら俺は吹き飛ばした物体を見るとそこには謎の形状の物体があった。


黒くて太い車輪、前方に付いている白とオレンジの小さい物、そして黒い独特の形のガラスが付いていた。


あまりに謎すぎる形状に驚き、ロッドは数秒固まっていた。


「よお」

どこかから声が聞こえ、見てみるとそこには赤いローブを着てハゲている見た感じ若い男がいた。


「どうだ?俺のプリウスミサイルは?」

「プリウスミサイル?」


「ああ、そいつは車って言ってな、俺の魔法で作り出したものだ」

「へえ、で?私たちに何の用だ?」


「お前たちに、つーかお前にだな」

そう言って男はロッドを指差す。


「禿げ頭七人衆が一人、ハゲタ、てめえをぶっ殺す!」

「ふん、言ってくれじゃないか」

ロッドとハゲタの間に、静かに緊張が走る。


「ウホ!」

ハゲタが叫ぶ。


今度はロッドの背後から巨大なゴリラのような腕が出現し、ロッドを掴もうとするが、ロッドは横っ飛びでこれを回避する。


「二人か・・・・・・」

もう一人出てきた男は、同じくハゲで、赤いローブを着ていて、あと青髭がある顔のでかいオカマだった。


「ロッドさん!」

俺は立ち上がり、ロッドに向かって叫ぶ。


「逃げましょう!禿げ頭七人衆は禿げ頭盗賊団の中で一番強い七人、しかも片方のウホってやつは屈指の実力者です!」

「レンブくん、何を言っているんだい?」

俺の警告に、ロッドは笑顔で答える。


「もう終わってる」

ロッドがそう言った途端ロッドの後ろにいたウホが白目を向いて倒れる。


「彼が現れた瞬間に、俺はおならを放っていた」

「ああ?だが音が聞こえなかったぞ?」


「そりゃそうだ、何せ俺が放ったのはただのおならではない・・・・・・」

俺とハゲタは息を吞む。


「俺が放ったのは何を隠そう・・・・・・」

「ゴクリッ」


「すかしっぺだ!」

ロッドは自信満々に言い放った。


「「・・・・・・はあ?」」

俺とハゲタはロッドの発言に只々困惑した。


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