Count 6.2 Girls talk with Goddess. ……Goddess?(巫子芝安里)

 パソコンの側には円東寺クンが「栄養補給だ」と言っていつも食べている飴の純露があった。そのひとつを取って何の気なしに口に入れた。その瞬間ボクだけが白い光に包まれる。

「お、おい巫子芝! 何でお前が召喚されてるんだ?」

 ハカセが召喚とか言い出す。じゃあコレって【転移ゲート】の魔法なの? 聞いてないよそんなの! せめてどこに行くのかぐらい教え……え、【きみなぐ!】?


 着いた先は見渡すかぎりの草原と四角い真っ白なテラス、そこに白いテーブルセットが置かれている。

「ようこそ【きみなぐ!】へ! いらっしゃい、飲み物は紅茶でいいかしら?」

 そして白いドレスを着た女神……のおねぇさん?

「ワタシは長伝寺達磨。安里ちゃんとは一度会ってるわよ? あっ、ここではタ・ツ・コって呼んで頂戴ね」

 陽堂先生の身内の人? そう言われれば会った気もする、かな?


 タツコさんは自称【魔女】のおともだち。円東寺クンもよく知ってるんだって。

 ボクはこれまでのコトを、タツコさんに聞かれるままに話した。

「安里ちゃんは要くんの恋人なんでしょ? 何で照れてるの? そんなのまだ早い? ダメよー、ちゃんと言う事言わなきゃ。雰囲気で伝わるなんて思ってたら大間違いよ。うーん、二人とも恋愛メンタルが『小学5年生』ね」

 うくっ、『りぼん』どころか『小学5年生』って言われたよ……ううん! だったらもう直球勝負、ボクの気持ちを思いっきり円東寺クンに伝えるまでのコト!


「要くんにはワタシが会わせてあげるわ。そのつもりで呼んだんだしね。でもあの子、ちょっと面倒なことになってるのよ」

 え? 面倒ってどういうこと?

「まあ、順を追って話すわね。始まりは……」


 タツコさんは円東寺クンのコトを、昔から今まですっかり話してくれた。

 ボクはそれを聞いて泣いてしまった。泣かずにいられなかった。

 そんなのひどすぎるよ! 親子なのにどうして!


 タツコさん、教えて。ボクはどうすれば円東寺クンを助けられるの?

 ……昔のボクは『生きられるだけ生きて、最期は笑って死ねばいい』そう思ってた。そう師匠じっちゃんに教わったから。 


 ……でも今は、何もしないままで死にたくないという気持ちも持っている。だのに毎日何をしたらいいのか分からない。そんなちぐはぐな焦りが苦しい。ずっと生きづらさを感じて過ごしていた。


 ……そしてあの日、ボクは円東寺クンに救われた。『どんなふうに生きてもいいんだ』って、笑いながら円東寺クンはボクにそう言ってくれた。ボクは円東寺クンと出会って初めて、死んだらつまらないって、生きてずっと一緒にいたいって、そう思えたんだ。


 だから待っててね、円東寺クン! 今度はボクがキミを助ける番だよ!

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