第2話 歴史モノは賞がなさすぎ

こんにちは、坂口です!

今回は歴史モノの賞がヤバすぎという、嘆かわしい現状をお伝えしようと思います。


今を去ること十年程前、わたしはそれまで小説を書いていたのですが、いろいろ考えるところがありまして、小説を書くのをやめてエッセイにしました。

これは、歴史モノを書く人すべてが悩み抜く問題だと思います。「歴史を舞台にした、完全にフィクションの作品を書く」か、「史実は変えない!フィクションは入れない」というスタイル、自分はどちらを取るのか……ですね。


わたしが小説をやめて、「史実は変えない」エッセイにしたのは、元々わたしが教員をやっていまして、「中学生くらいが読みやすい歴史の入門書を書きたい!」と思ったからで、史実は忠実に守ろうと思ったわけです。


さて、ここからが本題!歴史エッセイを書くようになったわたしは、

「よし!賞に出すぞ!」

出陣だ!とばかりに、歴史モノを集めてる賞を探しました。よく言われてますよね、作品を賞に出す時は、よくよく賞を調べて、自分の作品にマッチする賞を探さないとね……って。わたしもそういうつもりで、「賞って色々あるはずだし、自分の作品のカラーにあった奴を見つけないと」と思っていたのですが……。


探してみて、

「エッ……」

と、驚きました。歴史モノを集めてる賞って、ムチャクチャ少ないのです!

有名な賞は三つくらい。

オール読物歴史時代小説新人賞

歴史浪漫文学賞

歴史文芸賞

この他に、ちょこちょこっと地方文学賞とかはあるのですが、「この県を舞台にしてなくちゃ駄目」とかの規制があって、なかなかハードルが高いのです。


ただでさえ数が少ない上に、「小説」でなきゃ受け付けないとか、数千字程度の「短編」でなきゃダメ、などという制限が……。オール読物歴史時代小説新人賞なんか、もろにそうです。小説じゃなきゃいけない。さらに短編でなきゃダメ。


歴史浪漫文学賞もそうでして、これは長編はOKなのですが、電話で係の人に聞いてみたところ、「エッセイは駄目ですね……。他を当たってください」と、にべもないお返事。


それなら「歴史」というジャンルの賞じゃなく、エッセイの賞を探せばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、これはこれでダメなんです。エッセイの賞って、なぜだか知りませんが「原稿用紙五枚程度」の賞が九割以上なんですね。わたしの作品は、どれもこれも軽~く十万字を超えてしまうので、まったくお話にならないのです。


こうしたわけで、わたしが作品を送れる賞は、文芸社の歴史文芸賞だけになったのですが……一昨年くらいでしたか、トンデモナイ事件が……。


その年、いつまでたっても歴史文芸賞のホームページが更新されないので、「おかしいな、公募が始まらない」と、思い切って文芸社に電話したところ、

「実はですね、今年から行わないことになりまして」

と!


青天の霹靂とはまさにこのこと!賞自体がなくなってしまうなんて!


まあ、そんなこんなで、わたしは現在、作品を送る賞が全然ないわけです。


でもですね、これってかなり問題じゃないですかね?そもそも、歴史モノを集めてる賞がこんなに少ないなんて!しかも集めてるのは短編ばっかりで、長編を受け付けてるところが極端に少ないなんて!どうしてですか?世に知られている歴史モノの名作って、ほとんど長編なのに……。


これでは、歴史モノを書く作家が世に出る機会が失われてしまうのでは?と、思ってるわけです。

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