宅浪時々日記

Zenak

はじめに(暫定)




 ……さて、このページへと飛んできた画面の前の貴方は、リンクを押した理由はどうであれ、ひとまず今はこう思っているに違いない。


 うっわ〜〜〜これイタすぎ。書いてるヤツ馬鹿じゃねえのwww

 

 或いは、


 いや、こんなもん書いてないで勉強しろ、と。


「浪人生」即ち「ニート」という称号が与えられたからには、みな勉強に死ぬ気で集中すべきであって、このような現実逃避などしている場合ではなく、一にも二にも勉強、勉強、勉強をしろ――というのが貴方の意見なのだろう。


 その意見に対して私は主だった反論はしない。なぜなら、その意見は正論も正論、もはや世の真理といって過言ではないからだ。


 貴方は自身が社会的に正常な感覚を持っているという事実を誇りに思ってもらいたい。情報がネットの海に夥しく氾濫している今の時代、正しい価値観を自分の中で維持するという事は、難儀極まりないことであるからだ。ネットには様々な有害な情報が蔓延っている。差別に陰謀論、虚妄に猥言など―――


 ……これ以上ぐだぐだ書くと意識高い系のように誤認されかねないので話を戻すが、今しがた貴方の思考を上記に書き殴ってみせたように、私は最低限の常識と正気を保持しているものと自覚している。


 だが恥ずかしいことに、私はなぜこんなものを書こうと思い至ったのか、実を言うと、あまりよく覚えていないのだ。


 昨年度(2023年度)の秋から冬にかけて漠然とした構想を抱き、そこから今に至るまでの間に、「やってやろう」という熱意が、沸々と自分の頭の中で大きくなっていったと記憶している。


 だがそれ以上の事は思い出せない。何なら多分存在しない。


 出来ればその動機だけで、数行埋められる程の話のタネにはしたかったのだが。まぁ私の考えた事だから、恐らく相当に突飛なもの、或いは相当に低次元なものであったのは間違いないだろう。


 面白そうだったからとか、突然思いついたからとか、その程度の下らない動機が発端だったような気さえする。


 だが、こうして中身の無い話を書き連ねていく内に、私はこの日記の一つのメリットに気づいた。


 去年までは、季節の移り変わりや月日の経過というものを肌で感じる事が出来た。新学期における学校集会や、その後に続く教室の移動、まだ交流のなかった新しいクラスの面々や先生との遭遇など、そうした新しい生活は否応なしに愚図る私を迎えにやって来ていたのだ。


 さらに言えば、家から学校への通い路さえも、月日の経過を知るのに重要だったように思える。(家は高校からかなり近かったけれども。)


『枕草子』の如く各季節の例を挙げて、いちいち描写するなどと面倒なことはこの際省くが、要するに、強制的に家の外に出させられたからこそ、見たり感じたりすることの出来るものも多々あったという訳だ。


 だが予想される今年の生活はどうだろうか。


 24時間の内、学校に割り当てられていたのは大体7時間ほど。部活があればその時間は更に伸びていた。


 私のここ三年間の人生の三分の一を埋め尽くしていた学校生活というものはすっかり消滅し、家の外はまるでどこか別の世界のように、私の心の中からは隔離されてしまった。……というのは少しオーバーな表現かもしれない。全く外に出ていないという訳ではない。一日に一回は散歩でもいいから必ず外出するようにしている。


 一年間自宅に籠もりっきりかつ勉強中心の生活が、精神に変調を来すのは間違いない。私は私の感性を生かすために、この記録を録るとも言えるだろう。



 ……さて、私は今絶賛浪人中だ。


 早いもので、今日は4月の10日。生徒手帳の失効期限と同時に、私は通っていた高校とは完全に無縁の存在と成り果て、「高校生」という社会的に信用たる肩書を剥奪された。


 これ即ち、私が浪人一年生の新学期に突入してからもう3日が経ってしまったという事になる。私の通っていた学校では始業式は決まって4/7にあったから。


 嗚呼ああ、一年前のこの時期の自分は、一体何をしていたであろうか。


 目下に迫る大学受験に真正面から目を向けようとはせず、「わー、ついにこうこうさんねんせいだー」「はるやすみたのしいいいい」だの何だの友達とくっちゃべっていたのではなかったか。(もちろん勉強を丸っ切りサボっていた訳ではないし、一般的な高校3年生の平均勉強時間は確保していたけれども)


 こうやって過去の己の所業を悔悟の意と共に如実に思い出していけば、一年前の自分を「殴り倒してやりたい」と考えるのは全人類の性だろうが……、残念ながら私はそれだけでは留まれない。


 殴ってやりたいのは一年前の自分だけではない。二年前も、それから三年前も、勉強というものにとうとう卒業まで熱意を見いだせなかった過去の自分たちを、全員まとめてボコボコにしたくなってくる。


 ……暴力的な表現とネガティブ思考が溢れてきたので、ここで私が何を書きたいのかをそろそろ説明していく。下らない愚痴やこの日記の趣旨を話すのはこの辺りでもう終わりにしておく事にしよう。


 簡潔に言えば、タイトルに「日記」ともあるように、私はこの作品に「毎日のふとした気付きや出来事」から(後述)に更新していく。


 あくまでも創作である。全てがノンフィクションという訳ではない。


 創作に拘る理由は2つある。


 一つは、特定されるのを防ぐ為。(そこまで暇な奴がいるとは到底思えないが)


 そしてもう一つは、自身の創作能力を少しでもいいから伸ばす為である。


 数ヶ月前に開催されていた「カクヨム甲子園」に自身の作品を提出、ものの見事に二作品とも中間選考で落選し、はたと気が付いたのだが、やはり人間というものは人様からの評価(カクヨムでは☆の数や応援コメ)が付かないと、一作品書き上げるだけのエネルギーは中々生み出す事は出来ない。



 かの高名な岸辺露伴大先生は、


「この岸辺露伴が金やちやほやされる為にマンガを描いていると思っていたのかァーーーーーーーッ!!」(原文ママ)


 と仰られていたが、あくまでそれは天才の論理だ。


 誠に遺憾ながら、私のような卑小な輩は少なからず何らかの栄養を得ないと収穫物作品を育て上げることは難しい。無論、栄養が無くても作品を書くことは出来る。だが栄養無しで育て上げられた「ソレ」は、身が少なく、無味乾燥なものとなってしまうだろう。


 ……最も、私はこんな下らない落書きで有名になろうだとか、カクヨムの週間ランキングに載ろうだとか、そんな事を望んでいる訳ではない。何ならこんな大逸れた事を羅列しているだけで恥ずかしくなってくる。


 一年で☆が合計30くらいつけば結果オーライかなぁ……

 せめて10はいきてぇ(切実)


 私はまだ圧倒的に未熟かつ才能が不足しているせいで(というかこの三年間で小説を全く読んでこなかったせいで)、小説の書き方のいろはさえもよく分かっていない。この作品を下手でもいいから書き続ける事を通して、「文章技工」だけでも上達出来るように努力したい。


 私は創作というものを、少なくとも自分の頭の中にアイデアが湧き出す限りは楽しんで続けていきたいのだ。


 FakeGenuine?の比率はだいたい半々くらいになるだろうか。執筆する時の気分と調子次第でその比率は大きく変動するかもしれない。一から自分で創った話を載せることもあるかもしれないし、限りなく事実に添った話を公開する事もあるだろう。


 それから、タイトルに「ときどき」とあるように、なにも、毎日新作を投稿する訳ではない。というか出来ない。毎日創作をネットに垂れ流せる程の才能は私には無いし、加えて時間もないからだ。


 最初に言及したように、浪人生の本分はやはり勉強である。一週間に一回……いや無理だな。流石に一ヶ月に一回は頑張って更新しようと思います……ハイ……


 また、私は自身でも驚くほど堪え性や継続性というものが無い(受験においては致命的)なので、途中でだるくなって放り投げるかもしれないし、予想以上に浪人生活がメンタルにこたへて失踪するかもしれない。


 何なら、突然正気に戻って自身の存在――即ちアカウントそのものを抹消してしまうかもしれない。書き溜めなんて律儀な作業も殆どしていないし、アイデアの書留さえも、きちんとはやれていないからだ。


 詰まる所、が1年後にどうなっているかなんて、神様しか分からないのだ!!!!(←責任放棄)


 どうか、この記録ファクションが我が人生の1ページ、今までも散々体験してきた愉快な黒歴史たちの一部となって、「あんなもんも昔書いたな〜」と後々笑えるものになっていますように。





 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ※「四月に入ってからはや云日」などと、まるでその日の内に書き上げたかのような表現をしていますが、普通に7日以上かけてダラダラと書き上げました。


 てか、このスタイルだともはや「日記」とは言えないような……

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