第5話2学期

 久しぶりの大阪に帰って、二人ともT駅に着くまで、山口での毎日を話していた。叔母の家によるため、ちょっと寄り道。家には歳の近い義君と英ちゃんもいて、山口のお土産を渡して、祖父と一緒に5人で帰宅。一か月半離れてみて、久しぶりに帰った家はどことなくなつかしさがあった。8月31日の夜は疲れがたまっていて、学校へ投稿の準備と夕食、入浴を済ませるとあっという間に寝たように思う。9月1日になって朝を迎えて、7時に起きて朝食を済ませて、7時45分に家を出るいつもの生活が戻ってきた。2学期が始まると運動会の練習が本格化し、1年生合同でダンスの練習も始まった。私たちは当時絶大な人気を誇っていた宇宙戦艦ヤマトのテーマソングに合わせての踊りであった。イスカンダルに向かうのにふさわしく、元気に踊るようにとの先生の指示通り、元気に踊っていたが、さすがに1年生では2時間踊るのはきつい。最後の方が暑さもあって、皆バテ気味であった。

 やがて10月に入り運動会本番を迎えた。姉と一緒に参加する初めての運動会。家族の応援を受けながら、かけっこなどで紅白に別れて熱戦が繰り広げられていた。途中で息苦しくなって、あまり速く走れなかったので、かけっこに関してはビリであった。

 そのほか玉入れや綱引き、大玉ころがしなどがあって、いよいよ私たちが演じる宇宙戦艦ヤマトの番が来た。1年生にとっては最大の見せ場であり、曲が流れ始めると同時に、イスカンダルに向かって旅立っていくヤマトを演じていた。

 それが終わって昼食タイム。家族のところに行くと母が作ってくれたお弁当が待っていた。空揚げやウィンナー、サラダなどがたくさん入っていた。

 みんなで昼食を済ませた後、昼からの競技がスタートして、昼からは各学年ごとに選ばれた選手で争うクラス対抗のリレーや、紅白対抗リレーが行われ、終わったのが15時過ぎ。運動会が終わって家に帰って、着ていた体操シャツなどを洗濯機の中に入れて、家でくつろいでいると、どうも母の顔色がよくないような気がして

「お母さん、おなか痛いんちゃう?」

と聞くと

「あんな、お母さんのおなかには赤ちゃんがおるねん。来年の3月になったら、あんたはお兄ちゃんになるんやで」

ということを話していた。私がお兄ちゃんになるということは少々驚いたが、私に弟か妹ができるというのは楽しみであった。

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