怪物

@lkm67

第1話 全てはここから始まっていたのかもしれない

最近、世の中が退屈に思えてくる。そんな時は普段さえあまり回らない頭が余計に回らなくなる。しかしそんな俺の周りにはガヤガヤとうるさいだけのクラスの奴らが集まってくる。もう嫌で嫌で仕方ない。いつか狂っちまいそうだ。唯一理解してくれるのは高校に入ったときからの友達、玲斗だけだった。玲斗の家は歴史のある神社で高校を卒業したら神社を継ぐと言う。一方俺の家は両親とも家にはあまりおらずここ数ヶ月ろくに話した覚えもない。仕事が忙しいらしい。あまり知らないけど。はぁ……マジで俺、いつからこうなっていったんだ?なんか笑えてきたな。笑えないけど。なんてことを考えながら学校へ歩いていると後ろからぽんと肩を叩かれた。肩に白い袖がちらりと見える。玲斗だった。 


玲斗「よう」


俺「ああ、おはよ」


玲斗「突然だけど聞いたか?」


俺「?」


玲斗「なんかさ、昨晩、傷だらけの死体が見つかったらしい」


俺「マジで?この街でか?」


玲斗「うん。んでさ、この街って化け猫が出るって噂あったじゃん?」


俺「あぁ……」


ぶっちゃけ、俺はあんまり心霊とかお化けとかはあまり信じてないほうだった。いや、信じたくなかったのかったといったほうが正解かもしれない。別に幽霊とかが怖いわけじゃない。「あの日」を思い出してしまうからだ。


玲斗「だからさ、俺、確かめてみようと思う。」


俺「……は?」


玲斗「まだ犯人分かってないらしいし…」


俺「いやいや、それならなおさら危なくね?」


玲斗「人がやったのか化け猫がやったのか確かめたいんだ。」


……以外だった。玲斗がここまで食い下がるのは初めて見た。玲斗は普段、自分から行動するような奴ではなかった。誰かに全部決めてもらうほど優柔不断ではないが、それでも目立った事はあまりしないタイプだった。それに今回は警察とかも大きく関わっているというのに……。


俺「どうしてそこまでして調べたいんだ?」


玲斗「………。」


玲斗はさっきとは態度が打って変わって消え入りそうな声で言った。


玲斗「……実は…

“今回”の被害者、俺の親戚…叔父さんなんだ。」




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