第35話 そして、子どもの日

5月5日は、端午の節句

本来は男の子のお祭りが、子どもの日として休日に

3月3日は、ひなまつり

本来は女の子のお祭りだが、休日にはならぬまま


男女平等なら、どっちも休みにしろよと言いたいけど、

それしてしまうと、また、男女別かと言い出す馬鹿が、

沸いて出てくるのだろうね。

平等の好きな雑魚は、どこにでもいるのよ。


でもこの結果、平等のつもりが平等になっていない皮肉。


そうそう、自由の森も、そういう場所だった。

平等感を妙にあおる。

競争意識とか、そういうものはあおらない。

なかよしこよしのベテラン保母の感覚が、まかりとおっていた。

あと、園長は小学校長あがりのじいさま。


このままではいけない!


後の園長は、そう思っていたことは間違いないよ。

後に大学を出て作家になった彼も、右に同じ。

彼らは旧体制のロートルたちにとって、

まさに、内憂外患の若造たちであった。


だが、その後の自由の森を形作っていったのは、

間違いなく、内憂外患の彼らであった。

旧体制になじんだ者たちにとって、

その思考の中にあった子どもらしさなど、

彼らは、こともなげに叩き潰していった。


子どもの日に、昭和の子どもらしさの総括を。


昭和の児童福祉の求める子どもらしさに、

未来など、なかったのである。

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