そろそろ恋活始めます

城之内リア

エピローグ

第1話 綾菜side

 2022年7月1日入籍しました~

 これからも私たち…続きを読む

 3時間前


 

 ついに結婚しました!!

 なんとお相手は私…続きを読む

 1日前



 私事ですが第1子を授かりました。

 まだ性別は…続きを読む

 1日前


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 (ハア…まーた結婚するのかあ)

 

 大学を卒業してからというもの友人たちのインスタグラムは、かつての投稿頻度が嘘だったかのようにぱったりと止んだ。


 代わりに投稿されるのは、結婚や出産といったライフステージが変わるタイミングでの投稿。


 そんなわたし宮内絢菜は恋愛どころか対象となる異性との交流が全くと言っていいほどない。


 会社を設立してからというもの、美容業という仕事柄部下は全員女性。取引先や顧客までもが女性中心。たまに男の人がいると思えば、恋愛対象にすらならない20歳以上年の離れた既婚者ばかり。


 「ねえ、みんなは一体どこで出会ってるわけ?」


 「はい?」

 急な質問に突然何を言い出すのかといった表情を浮かべる鈴木。

 

 鈴木優香は設立当初から携わっている創業メンバーのうちの1人だ。


 「あ、いやごめん。ほら、うち女ばかりの職場じゃない?なのにみんなリア充だからどこで出会ったのかなあって…」


 「社長もしかして恋愛したいんですか?!」と目を見開く鈴木。


 「え。ダメ?」


 「いえ、ダメではないですが…社長って恋愛に興味あったんですね!THE仕事人間って感じで恋愛の話全然切り出さないし、話に入ってこないからてっきりみんな社長に恋愛の話はタブーだって思ってましたよ」


 (なんと!タブーだと思われてたなんて…

 タブーじゃない。ただ恋愛の話の切り出しも参加も「できない」からだっつーの)


 「そんなことないわよ。アハハ…」


 「あ!なら、社長って占い興味あります?」


 「占い?まあ、好きだけど」


 「ならめっちゃ当たる占い師がいるので占ってきてもらったらどうですか!そしたら、出会いの場所も占ってくれるかも!」


 どうやらその占い師は、うちの社員の誰かが行き始めたことをきっかけに当たると口コミで社内に広まっている今話題の占い師らしい。


 後日、私は言われるがまま新宿のとある占い館に出向いた。


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 「あなた30歳過ぎで結婚するわね」

 開口一番、当たると噂になっている占い師にそう言われた。

 

 「え?!そんな先なんですか?!」


 「そうね、結婚はね。でも、その結婚相手とはもうすぐ出会うと見えてるわ」


 (え、見えてる?!) 


 驚く私に占い師が続けて言う。

 「暗い場所…うーん会員制のバーに通うか働くかね…出会うとするならば」


 「え、私会社経営してるんですけど、さらに仕事するってことですか?」


 「いやあ、そんな真剣にやらなくていいのよ、週1とか数時間でいいのよ。とにかく会員制のお酒を飲む場所ね…うーんでもどうしても夜職が思い浮かぶのよねえ…」


 「夜職ってキャバとかですか?!」


 「いやっどっちかというとクラブとかホステスとかもっと敷居の高いところね。そうすればきっとあなたの思い描く未来にふさわしい人と出会えると思うわ」


 (週1の数時間か…それならば全然両立できるかも。でもなあ、夜かあ。夜はもうやらないって学生のとき決めたのになあ。あ、でもバーに通うって選択肢もあるって言ってたよなあ…あーダメだ!私そんなにお酒好きじゃないんだったあ… どうしようかなあ…)


「前途多難な恋になりそうね…」

________________________


 後日絢菜はまんまと占い通り、銀座の会員制ラウンジで働くこととなった。

 『前途多難な恋』と言われた意味をこのときの綾菜は知る由もない…

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