第20話 天使

 天使は神の御使いとしていろいろな文献に登場します。神の世界と天使の世界は別ですが、協力関係にあることからそのような言われ方をするのでしょう。

 “エノク文字”は天使の使用している文字として名が知られていますが、この名が示すようにエノクとは天使そのものの出身を表しています。

宇宙の広さは人間の知る由もない無限大の複雑な構造を成しています。神々が管理する範囲は途方もない広大無限な領域です。そこで重要な役割を果たす者たちがいわゆる“協力者”たちです。

 様々な銀河とそれを構成する星々から、人間の知能とは比較にならない優秀な協力者たちがこの地球誕生と生成を見守り、人類誕生と文明発祥のお手伝いに、つまり主力の神々の協力者としてやってきました。天使はその協力メンバーのひとつであり、昔から語り継がれてきたように背中には確かに翼が生えています。その星の階級により力も翼の枚数も変わります。

 堕天使は忌み嫌われる存在となっています。神と互角の能力があると自負して神の座を奪おうとしたことが原因とされ、それを阻止する側との戦いに負けて地獄に堕とされたとされていますが、同じ種族でわざわざ地球に来てから戦うことでもないでしょう。人間がそうであるように、性格や考え方に多少の違いがあり喧嘩をしてしまうことはあります。それが戦争のきっかけとなることがありますが、善と悪、地上と地下、光と闇など二分してそれぞれの管理をどちらが取るかと聞かれた場合、あなたはどちらを選ぶでしょうか。

 銀河間は光ひとつ無い真っ暗な漆黒空間です。地球は太陽を周回しているため、光があることを当たり前のように思いがちですが、宇宙は暗黒空間のほうが割合を占めています。それだけに“明るい光”は貴重です。協力者としてどちらかの選択をせまられれば、気持ち的に前者のほうを選ぶのではないでしょうか。それだけの違いなのです。天使が良くて、堕天使が悪いわけではありません。呼び方がそもそも悪いのです。“堕天使=地獄へ堕ちた天使=悪魔”と通説ではいわれていますが、そもそも悪行を働き落ちるのは人間であって天使は人間とは違うので地獄に堕ちたわけではありません。それぞれ神の決めた規則に沿って天使と悪魔としての役割を全うしているだけです。もともと正天使であって人間から堕天使と呼ばれてしまった立場になった者以外の“低級な配下たち”の中には悪戯に手を染めてしまう輩もいますが、上層部は管理者としてきちんと業務を全うしています。が、配下が数え切れないほどいるために末端まで手が届かないこともあるようです。

 


 ※ 最近は地球人以外の他の惑星人によるメッセージが書かれた著書が出版されているようで、宇宙をもっと知る参考書として時間があれば読んでみたいものとして「アルクトゥルス◯より地球◯へ」なる興味深い本がありました。

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