第10話 この謎解けるかな

 世界遺産の日光東照宮、「唐門」と呼ばれる建造物があります。その屋根の上には東照宮の昼を守る2匹の飛龍と夜を守る1匹の恙(つつが)の霊獣たちが乗っていて周囲に睨みをきかせています。

 でも果たしてどれだけの来訪者がその霊獣たちの足元の足かせや胴体の金輪に気づくでしょうか…敷地内の建造物のほとんどに多種多様な霊獣の彫刻が施されていますが、“逃げられないように”されている“霊獣は”彼らだけです。飛竜などは金輪で胴体を押さえられているだけでなく、飛ぶためのヒレまで切られています。

 さらに「奥の院」の宝塔前には玄武(霊亀)に乗った鶴がいるのですが、なぜかくちばしには蝋台といわれているのですが、どう見ても“鍵”にしか見えないような代物をくわえて、これまた“逃げられないように”足かせをされています。

 どうして霊獣たちや鶴がそんなことをされているのでしょうか?何か疑問が湧いてきませんか?感のいい方は何か発見するかも知れません。

 日光東照宮造営に尽力した天海大僧正は当時100歳以上まで生きた強者で頭脳明晰、彼はまるで“この謎解けるやつはいるか?”とばかりにトラップを仕掛ける天才のようです。

きっと彼は鼻歌を口ずさみながら仕事に励んでいたひとりに違いありません…

「かーごめかごめ かーごのなーかのとーりーは♪…」

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