第14話 目立った公式試合デビュー

試合後、家に帰ると、玄関に澪と結衣が待ち構えていた。


「どうした?」

「「おかえり!試合どうだった?」」


見事のシンクロっぷりである。それほど待っていてくれたってことかな?


「勝ったぞ?結構あっけなかった」

「そんなこと言っちゃダメだよ!」

「うん、それはお兄が強すぎるからだし」


そっかー、そうなのかー。


「でも、楽しかったぞ!」

「うん、それならなんでもいい」


おい、なんでもいいは流石にひどくない?


「ところで、公式試合いつ?」

「うーん、あと2週間くらいじゃなかったっけ?」

「今週末だよ、海斗」

「「鈴香ちゃん!」」

「久しぶりっていうほどでもないけど久しぶり」


なんだよこいつら俺とテンション違いすぎね?


「日程決まったら教えてねー!」

「見に行くから!」

「え?別にこなくてもいいんだぞ?」

「行きたいから行くんですー!」

「そっか、ならいいけど」


これでさらにミスれなくなったな。





それから時がたち、週末。

公式試合、一回戦。

156対57、あっけなかった。

二回戦。

182対24、あっけなかった。

三回戦。

110対67、あっけなかった。

準々決勝。

98対78、楽しかった。


そして迎えた準決勝。それまでは、すごい小学生の日記みたいな感じになっちゃってたけど、しょうがなくない?ほんとにあっけなかったんだもん。あ、でもこれ言うと鈴香が怒るから内緒な?


なんか、前の試合映像見てた感じだと、結構今までより楽しそうなんだよなぁ。


あ、ちなみに俺は、これが公式試合デビューです。今まで出てません。春馬たちだけで勝ってます。


「いっやー、楽しみだなー!」

「よく準決勝の前にそんなテンションでいられるな」

「え?逆になんでそんなテンション低いんだよ?あげてこーぜー!」

「だって今日、県大会行けるか決まるんだぞ?」

「え?そなの?」

「お前はもう少し興味を持とうな?」


何を、、、。別に興味なかったわけじゃないもん!調べるのめんどかっただけだもん!



「よっし、お前ら行くぞ!」

「「「「はい!」」」」「はーい」



うーん、相手、でかいな。縦にも横にも。

まあ、いっか。春馬に遊ぼうなって言われてるし。


「では、試合を始めます!」


ピィー


ホイッスルの音とともにジャンプボールが行われ試合が始まった。

もちろん、ジャンプボールで負けるわけがないんで、最初はマイボール。

あえて、速攻は仕掛けずに、キープ。

そこで、役目を任されたのが、、、あれ?誰だっけ?春馬?


「海斗!」


あ、そっか。俺だった。


さ、集中。


俺が深呼吸して集中すると相手は一瞬怯んだような表情をした。

俺はそれを見逃さず、一気に抜き去った。そのまま、他の四人が寄ってくるのも抜いて、ゴール。

まあ、ここまでが作戦ってわけだね。

じゃあ、、、ここからは自由ってわけだ。

俺はディフェンスに戻りながら徐々にギアを上げられる準備をした。


相手の攻撃、相手は初めにエースの1対1で勝負しようとしているらしい。

え?なんでわかったかって?ガードの目がすごいそっち見てんだもん。顔を違う方に向けても目は正直なんだから!


そして、俺はタイミングを合わせて、逆サイドから飛び出した。


パシッ


綺麗に取れた。

相手は驚いた表情をしていたが俺は気にせず、そのまま走ってゴール。

もちろん見栄えを気にしてダンクにしといたよ!


しばらくして、会場が大きな熱気に包まれる。


「うおー!」

「あいつすげぇジャンプ力だ!」

「走るのも早いぞ!」

「逆サイドから飛び出て取りやがった!」


などなど、いろいろなものがあるが、全てが、海斗への高評価の言葉である。


よっし、まあ、公式試合デビューとしてさいさきはいいな!

このまま行くぞー!

俺は、ハイタッチを仲間と交わしながらそう思うのであった。




〜香織視点〜

女子の試合が終わってちょっとしてから何か試合でも見ようかな、と客席に向かうとちょうどうちのバスケ部が試合中だった。


えーと、まだ始まったばっかか。ちょっと見てこうかな。



へ?何今の?どこから出てきたの?





〜澪視点〜

「結衣、さすがお兄ちゃんだね!」

「何を当たり前のことを言ってるの?まだ、こんなの序の口よ」





〜鈴香視点〜

やっぱうまいんじゃない。もう!手間かけさせてからに!勝たないと承知しないからね!



〜春馬視点〜

あちゃー、やっぱこうなっちゃったか。

今日のノルマ達成は余裕そうだな。

(春馬は毎試合、20得点以上をノルマとしている)

ってか、知らぬ間に俺より上手くなったんじゃね?やば、負けないようにせんと。





第十四話です!

今話で、ついに、公式試合デビューを果たしました!

そして、そのデビュー後すぐに起きたプレーに対する反応も書きました!

そういえば、忘れてたんですけど、バスケの用語とか使っちゃてるんで分からなかった場合はすみません。

これからもよろしくお願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る