オレ!三保の松原、突っ走れ!!

うびぞお

プロローグ


 僕は晴太せーた。11歳だ。

 将来は、清水エスパルスのボランチになる、って決めてる。



 夜中に目が覚めて眠れなくなった僕は、こっそり家を抜け出して、BMXに乗って三保の灯台に向かった。

 灯台は三保の松原の向こうの岬にある。


 でも、灯台まで、あと少しというところで、僕は、うい という名前の小さな女の子に出会ってしまった。

 ういは、何だかよく分からないものを探してるみたいで、ひとりうずくまって泣いていた。


 夜中に泣いている小さな女の子を助けるのは当然のことだろ。

 だから、僕は、ういを載せたBMXを引きずって、一緒に探し物をしてやることにした。


 でも、三保の松原に辿り着いた時だった。




 お゛ー ご ー お゛っご お゛っご お゛ご ぉ




 地響きのような低い声のような音が聞こえてきた。

 どこかで聞いたようなリズムだけど、どう聞いても猛獣の唸り声だ。


 その声の正体を知った時、僕は、ういを抱えて逃げ出すしかなかった。

 僕がういを守らないと!




 _____





 静岡県は静岡市清水区。

 清水と言えば、次郎長親分とちびまる子ちゃん、そして清水エスパルスです。

 そんな清水には、海(駿河湾)と富士山と伊豆半島が一望できる景勝地、三保の松原があります。

 日本平でのサッカー観戦のついでに何度か三保の松原を訪れて、松林と海と富士山を堪能しましたが、さすがに夜の三保の松原には行ったことがありません。

 夜の三保の松原のドキドキを想像しながら書きました。




 うびぞお

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