第2話 ウザいおにいさん

 朱美ちゃんはその後も「あか!」とお醤油さしや一味とうがらしのフタ、お母さんのフライパンの取っ手などを指さしては妖精に示していましたが、やがて目に付くところの赤がなくなったので、お出かけすることにしました。ちゃっかりお母さんにおやつの前借りをするのも忘れません。


「やーやー朱美ちゃん、どうだいこのフェラーリ! パパが買ってくれたんだけどカッコイイだろう?」

「うっ」


 やな人に出くわしました。お隣さんのお金持ちのおうちの息子の金雄かねおさんです。別に害はないのですが、人を見ると朱美ちゃんみたいな小さな子にまで自慢したがるのでご近所さんから微妙にウザがられています。海外旅行のお土産ばら撒きがいつも豪華なのでギリギリ許されています。背の高いス〇夫みたいな兄ちゃんです。


「……やっちゃえ」

「アイアイサー」


 朱美ちゃんが被害を受けてる間に、妖精はフェラーリの方に寄って行って、ビンに色を採りました。お兄さんの自慢しいしい声が、妖精の方にも聞こえて来てウザかったのでめっちゃ採取してやります。


「ガァ―ン!? ぼ、僕のフェラーリが燃え尽きたみたいに真っ白に!?」


 ガーネットと朱美ちゃんはケラケラ笑いながら逃げていきました。

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