時間停止で気になる女を堕とせ〜煩悩だけで全てを駆け抜ける男爆誕〜

荒塩

第1話 楽園を求めし男


 それは突然起こった。


 いつものように目覚め支度し朝食を食べている最中の事である。


 俺には一個下、高校2年の妹がいる。



 名を———時透美結みゆという。



 今流行りなのか茶髪ウルフカットで薄く化粧もして、兄の俺から見ても美人、いや可愛い寄りだ。


 ギャルっぽさはそこまでないが服装が少しラフだ、ポロシャツの第二ボタンまで外し、屈んだり上から除けば確実に見えちゃうだろう。

 胸も高校生にしては発育がいい、俺はあまり詳しくないがD?くらいはありそうな気がする。


 見た目は良い、だが問題は性格だ。


 家と学校とで使い分けているのか非常に差が激しかったのだ、俺をクソ兄貴と連呼したまに蹴りを喰らわせてくる所謂メスガキだった。

 

 その美結と一緒に朝食を食べている最中だ。


 たまたま、本当にたまたまのことだった。


 机に対し横向きに足を組んで座り、片手は携帯、片手は箸な非常に行儀の悪い格好。


 

 ———問題はそこではない。



 腕を曲げて携帯を見ているからかポロシャツのボタン同士との間が少し浮きたるんでおり隙間から青いブラがチラッと見えているのだ。

 


 普通妹では興奮しない。当たり前だ。




 だが———




 そうだろう!?



 そこにチラリズムがあるのならば男としてチラリとするのが性!!実の妹であれなんであれ、対象が可愛いければ見る価値は大いにある!



 そうだろう!?



 故に俺は見たい!だが———!!



 あと少しなんだ。あと少し隙間が大きければ楽園エデンが拝めるのだ。

 ブラの一部が見えることは大変に素晴らしい事だ、だが更に見たいと思うのは仕方のないことではないか?

 ブラの中身——浮きブラして蕾を見せろと言ってるんではない。俺が望むのはブラと肌との境界線だ。

 俺はそこに価値があると思っているんだ、もちろん浮きブラしてるならそっちを見る。当たり前だ。

 


 それはそれ、これはこれだ。



 しかしあまりにガン見し過ぎて、もし美結にバレたら俺は極刑だ、ここは慎重にならなければならない。



 ———チラッと美結を確認する。



「あむっ……ふふっ、愛海あみってばバカみたい」


 よし!携帯で友達とやり取りでもしてるのか全然こちらに気付く素振りはない。

 いつもなら食事中に携帯を構うなと小言を言うところだが今はいいだろう。寧ろもっと携帯と睨めっこしていてくれ。


 俺は食べながら、何度かチラッと隙間を確認するが中々楽園が見えない。

 

 非常にもどかしかった、何か動きがあればこの観測状況は簡単に変化する。

 服に手が当たる、体勢が変わる、そうした何気ない動作それ一つで楽園エデンへの扉は簡単に開かれるだろう。



「ねぇクソ兄貴」



 ———ドキッとする。



 もしやバレた?いやそんな筈はない美結は携帯を見つめたままだ。

 

 努めて平静に受け答えしなければならない。


「どうした?」

「なんか今日食べるの遅くない?」

「そ、そうか?たまにはそんな日もあるさ」

「へぇー…ま、ずっとその方がいいと思うよ、クソ兄貴のあの変なルール見ててほんと鬱陶しかったから」

「ぐっ、分かった……気を付けよう」

「ん」


 変なルールとは俺が常に己へ課していた3秒ルールの事だろう。

 こうも直球で鬱陶しいと言われると鋼の心を持つ俺も普通に傷ついてしまう、もう少し言い方なんとかしてくれ。


 美結の言葉に打ち震えながら俺は朝食を一口運び———瞬間とてつもない違和感に襲われてしまう。



 妹に言われるまで気付かなかったのだ。



 何を?それは俺が自分に課しているルールの事だ。

 俺は何故そのルールを忘れているんだと。

 いつもであれば脳内にストップウォッチが常に流れている、だがそれが

 それに今更こんな妹のブラチラ如きに目移りなぞするわけもないのだ。

 

 おかしい、これは非常におかしいぞ!俺が!


 そんな身に起きている異常事態にも関わらず、俺は考えていたことが全て吹き飛んでしまう。

 そう、あれが見えてしまっていたのだ、俺の視界に飛び込んで来たのだ。




 ———楽園エデンが。



 

 それはさっきと同じ隙間程しかなかった、だが明確な違いがそこにはあったのだ。


 景色が変わっている!?境界線が見えているではないか!


 僅か、本当に僅かだがブラとの境目からトップ付近のふくよかな肌色の一部が覗いていたのだ。


 我が妹ながら素晴らしいチラリズムだ!グッジョブチラパイ!

 

 妹では興奮しないと俺は言い切った。


 嘘だ。


 全然興奮出来てしまう。


 もっと見たい。もっともっと。と己の心が、魂が打ち震えていた。


 だが現実とは残酷で無情なもの。

 時は進むものであり。決して立ち止まることはない。

 この楽園エデンも時間と共に失っていく、そう考えると非常に残念で仕方ない。

 無理だと分かっていても願ってしまう、人はそういう生き物だ。



 俺も例外じゃない、願ってしまったのだ。




 このまま ———と。




———


———


———


「……ん?」



 今一瞬おかしかったよな?え、気のせい?……いや違う、絶対おかしかった。



 ほんの数秒の違和感、でも俺ははっきりと感じたのだ。

 



 明らかにと。


 


————————————


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