第38話ダリオスのダンジョン3

「だからさー、ここは中級のダンジョンなんだからさー。」


なんかヒョロっとした魔族の兄ちゃんが困っている。


「おたくらみたいな剣聖だとか勇者だとかー、大賢者なんかが来てどうすんの。」


「バランスを考えて欲しいなー。」


この魔族はこのダンジョンのマスターだそうだ。


「ふーん、この子レベルが上がんないんだ。」


パエリは経験値を稼いでもレベルが上がらない。

だからステータスは上がっても全然スキルが生えて来ない。


「でも、ありえないぐらい強くなっているんだね。」


「おかしいでしょ。」


ムールが言う。


「でもこの子のレベル表示変だよ。Lv.0001って、普通はただLv.1になると思わない?」


魔族がそう言う。


「あ、上限突破か?カウンターの表示を振り切っているんだ。」


「実はLv.10001とか110001って事?」


「だから多少のことじゃレベルが上がらないのかな?」


「でも、ステータスは?経験値を稼がないとステータスは上がらなかったって事?それともこのステータス表示も振り切っちゃっているって事?」


「うーむ、勇者の事はよくわかんないな。」


「ムール、お腹すいた。」


パエリが退屈してきたみたいだ。


パエリにしてみれば始めっから何も変わっていないんだからどうでもいい事なんかな?


マスターがドロップアイテムを分けてくれるみたいだし、上級ダンジョンの紹介状を書いてくれるのでこのダンジョンは見学させてもらう事にした。


サーフラはちょっといい魔法の杖を貰ってご機嫌だし、パエリもレベルアップに一生懸命にならなくていいみたいだからのんびり行く事にした。


このダンジョンでは第1階層からオークやオーガ、メイジゴブリンなんかが出てきて、階をおうごとに1度に出現する人数が増えたり、時々キングオーガが出てくる。


ダンジョンボスは少しレベルの低いキメラで中級者にはギリギリ感があって楽しい...はず。


オレは前世ではこのダンジョンを130回ぐらい周回した。


オレは見学させてくれたお礼にダンジョンコアにたっぷり魔力をチャージする。


「おお初めて満タンになったんじゃないかな。これなら盛大にスタンピードが起こせるよ。」


「冒険者に大ボーナスだね。」

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