6 麟の推理(?)
◆
「だああ……疲れた……」
帰宅し、さすがにスーツはシワにならないようにしてから、
いや、別に
一応メッセージアプリの連絡先まで交換はしている。
それよりも、帰りの途上で母親に、どうだったのか、いけそうなのか、と鼻息荒く
――ちょっと今日は執筆無理かも。
そう思いながら、
――互いのペンネームのヒントの交換。
――ただし、わかったとしても、直接確認はしないこと。
そんな条件の元、
――一つ、それそのものではないが、彼女の本名に絡んでいる。
――二つ、超有名な、中学生でもわかるレベルの文学作品に絡めている。ただし、ひねりがある。
中学生でもわかるレベルの文学作品、というなら、宮沢賢治や夏目漱石、だろうか。
だが、そこに【
サイトの検索欄にカーソルを入れ、
中学生でもわかるレベル。
文学作品とあえて言うのだから、教科書では大体単発で
じゃあ、他には何があったか。
「あー……教科書とっとけば良かった……」
『竹取物語』や『方丈記』あたりは出だしを暗唱させられた記憶が
他に何があるだろうか。
そのまま、ベッドに寝転がり、スマホを握ってどれだけ
階下から、母親に夕飯、と呼ばれてしまった。
とたとたと階段を降り、
父親と母親も
「なあ、母さん」
「ん? なんだい?
ここで口頭で言わないあたり、
「いや、それはそうだけど、
とりあえずは手慣れた手法で母親の言葉を流してから、
「何を急に言ってんの、あんた」
「いや、その、
「はあ……そりゃ、お前、アレだろ」
父親からの声まで、ちょっと
というか、答えを教える前にわざわざ口に肉と米を放り込んで、もごもごしてもったいぶらないで欲しい、と
そして、
「『源氏物語』の
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