アラヒィフおばさんだってまだまだイケルんです!

本間和国

山内雅子


 

「最近、いつやった?」


10年来のママ友、

又吉塔子(49歳)

稲田りか(44歳)

三次みよし真美(47歳)

と今日は久々の飲み会。

近くの居酒屋、『パパや』で飲み放題を頼み、1時間ほどたった頃、話も盛り上がり、あたしは聞いてみた。


「全くやってない」


塔子は表情を変えずに答える。


「あたしはもともと性欲もそんなに強くないし、もうこの年になって、やりたいとも思わない。やるくらいだったら、どうぞお金はらって、よそでやってくださいって感じ。」


う〜ん。

塔子はそんな感じだ。


「りかは?りかは彼氏まだ若いし、現役でしょ?」


りかはビールを一口飲む。


「ぶっちゃけ先週やった。

先週、旅行に行った時。」

「おお〜!」


3人から歓声があがる。


りかは4人の中では一番の美人で、身長も170センチのスタイル抜群の美魔女だ。

唯一の独身で、12歳年下の32歳の彼氏がいる。


「でも、あたし疲れちゃうから1回しかできないよ。昔みたいに連続は無理。」


若い彼氏には少し残念だろう。


「まみちゃんは?」


下ネタが苦手なまみちゃんは顔を赤くしながら、やってないと否定するが・・・


ウソだ・・・


「絶対やってるね!」

「うん、やってる!先週やった?もしかして昨日?」


3人で問い詰めると、まみちゃんは渋々こたえた。


「やってるけど、先週はやってない。」

「今月やった?」

「それはない。」


そうか〜、みんな盛んだなぁ。


「雅ちゃんは?」


塔子が聞いてくる。

う・・あたしは・・・


「レスなんだなぁ~。」


やりたいんだけど、旦那が疲れちゃって、なかなかできない。


「全くやってないの?」

「うん。全く。だから、彼氏ほしいなぁ。」


そう。あたしは結婚歴29年。

大学生の息子が1人、旦那とも円満。

経営するリサイクルショップの経営も好調だが、何故か心が満たされない。

萬年彼氏欲しい女子なのだ。


「不倫は良くない。」

「うん。良くない。絶対。」


真面目な塔子と、まみちゃんは言う。


「雅ちゃん、以前旦那さんに浮気されたもんね。その仕返しでしょ?」


りかが助け船を出してくれた。

そうなんだよ!

もう10年前なんだけど、旦那、店の従業員と浮気してたんだよね!

すぐ辞めてもらったけどさ、キスはしたな、絶対・・


「自分がされたら、同じ事をやってもいいのか!」


塔子が強い口調で言う。

確かに・・・おっしゃる通りですが・・・


12時を過ぎ、久々の飲み会はお開きになった。


「ただいま〜」


もうみんな寝てるだろう、あたしはそ~っと家に入る。

寝室では、夫がイビキをかいて寝てる。

は〜っ・・・

あたしはため息をつきながらベットにはいった。

あたしの彼氏ほしい発言から、しばらく塔子のお説教がはじまって、あたしは後悔した。

でも、本当に彼氏が欲しいんだから仕方がない。

独身の時のような、トキメキがほしいのだ。

会いたくて仕方がない、手をつなぎたい、抱きしめて欲しい、ちょっとした事でヤキモチを焼きたい・・・

そんな相手が欲しい。



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