(二)-12

「そういうのは、大人がやることなんだぜ。俺たちまだ大学生なんだからいいんだよ、そんなのしなくたって」

 男性のその言葉に、オロオロしている綾音ちゃんの隣で、私は「善意に年齢は関係ありませんよ」と女性に声を掛けた。

「ほらあ」

 そう言って彼女は「これだけですけど」と財布から見つけ出した銅貨三枚を募金箱に入れてくれた。それと一緒に女学生が三ヶ月前の日付の台湾系タピオカミルクティー屋さんで購入した抹茶タピオカフラペチーノのレシートも募金箱の中に落ちた。



(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る