XV. 旅の終焉
私たちによる邪竜討伐は、魔法の伝書鳩などによって瞬く間に世界中に知らされることとなり、私たち『虹色旅団』は世界を救った英雄となった。
あれから数日、ようやく王都に帰還した私たち。
そして今、王都での凱旋パレードが始まろうとしている。
王都の門に近づくと、街道脇に並んだ騎士たちが姿勢を正し、剣を掲げた。騎士たちによる最も敬意を表する敬礼だ。
その間をゆっくりと進んでいく私たち。
門をくぐって王都に入ったところで歩みを止める。
多くの住民たちが大通りに並んでいる。
大通り沿いの建物からも、みんなが身体を乗り出してこちらを見ている。
誰も声を上げず、静寂の空気が王都を包んでいた。
私の頬を涙が伝う。
もう我慢できなかった。
「ねぇ、ユウヤ。みんながユウヤのことを思って泣いてるよ」
私は声を震わせながらそう言って、馬車の上の棺をそっと撫でた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます