第3話 これがいいと思うんだけど

「山だから迷ったってことで許してもらえたな。」


「でも遅刻は遅刻です。反省しましょう。」


今日は農家からの依頼だ。これもよくある害虫駆除だな。


「報酬は少額だけど金。そして野菜。害虫駆除の依頼はこれだからやめられないな。」


害虫は基本的に植食獣が対象になる。植食獣は大して強くないから楽に稼げる。


「報酬は美味しいですけどやっぱり物足りないですよね。もっと強い相手と戦いたいですね。」


「おっじゃあ今日の依頼1人で頑張ってな。俺は奥で見てるから。キツそうになったら手伝うから。」


「本気で言ってます…?」


「ほら、向こうはやってきたぞ。いってらっしゃーい。」


「えぇ…。」



10分後


「これで終わりですかね?」


「さっきのがこの群れのボスだろ。終わりだ。おつかれさん。」


植食獣は合わせて50匹ほど出てきがサキは10分で駆除し終えた。まぁ俺ならこんなに時間はかからないけどな。


「どう?満足した?」


「いや全然物足りないです。というかここに入ってくる依頼ってしょうもないものが多すぎませんか?施設に行ったり子守だったり依頼人の欲しいものを調達しに行ったり。もっと凄い依頼とかないんですかね。凶悪犯を捕まえるとか怪しい組織の調査とか。」


「小説とかの読みすぎだろ。俺はこのままが1番だと思ってる。(時間に余裕があって過密スケジュールじゃないだけでいいんだけど)平和って案外保つのは難しいんだぜ。それが今叶ってるんだからこれでいいじゃないか。」


「刺激欲しくないですか?」


「欲しくない。」


「釣れないなぁ。」



その日は報酬を貰い店へ帰った。

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