第14話

停電。

 朝から、マンションの大規模修繕工事の音がうるさかった。四方八方から聞こえてくる。そんな中、窓を閉めて、録画しておいた「光る君へ」を見ていたら、突然、テレビ画面が真っ黒になった。と同時に、家の中がシーンと静まりかえった。管理人室に電話をして「今、停電ですか?」と聞いたら、「こちらは電気が付いていますから、お宅のブレーカーが落ちたんじゃないですか?」と言われた。そんなに電気を使っていないけどなあ…と思いながらブレーカーを見たが、ONになっていた。これは、もしかしたら、工事中に間違えて電線を切ってしまったんじゃないか?と思い、隣家はどうなんだろう?と思い、隣家の玄関チャイムを押したが、音がしない。それで、階下に降り、工事の簡易事務所に行こうと思ったら、上の部屋の方が管理人室から戻って来たので、「もしかして、お宅も停電ですか?」と聞くと「そうです。お宅も?今、管理人さんに言ったら、お宅のブレーカーが落ちたのでは?って言われたんです」との事、すると、隣家の方も降りて来て「何か、電気が付かないんですけど…」と言った。それで、3人で工事の簡易事務所に行き、事情を説明したら、すぐに確認してくれると言うので、部屋で待機していた。2時間後、工事の担当の方が来た。電気が付かないのは、私が住んでいる縦2列の数軒だけらしい。「一旦、主電源のブレーカーと各部屋のブレーカーを落としてから、再度主電源と各家庭のブレーカーをONにする、と言う作業をさせて下さい」と言われ、了承してお願いした。しばらくして担当の方が来て、ブレーカーをあげたら、ガチャっと音がして、冷蔵庫がブーンと言い、さまざまな家電がONになった。家が生き返った感じだった。

 停電していた時間は、約3時間。計画停電ではないから、「何時になったら復旧するのかメドが立たない停電」だった。そのため、予約していた美容院をキャンセルした。そして、思った事。真夏じゃなくて良かった・家に病人がいなくて良かった・やっぱりソーラーパネル式の発電機を備えておいた方が良いな、だった。この様な停電は、東日本大震災以来だったので、あの時の不便さや恐怖も思いだした。

 だからと言って、すぐにソーラーパネル式の発電機を買うまでには至っていない。ネットで検索はしてみたが、実際に使ってみないと解らないし、ポンと買える値段ではなかった。

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